寝たきりでも結婚式参列、VRが広げる可能性
2016年10月26日 09:17
最近、VR(バーチャルリアリティ)という言葉をよく聞く。VRとは体験者に専用の機器を取り付けるとコンピューターで合成された映像や音声が再生され、実際にその空間にいるような没入感を得る事ができる技術やその体系である。VRを体験するためにはヘッドマウントディスプレイのような特定の機器が必要になってくる。ヘッドマウントディスプレイは頭に固定されているため、体験者は上下左右、どこを見てもその世界に入り込んでいるような感覚を得ることができるのだ。その没入感は場合によって現実と仮想の世界の区別が困難になるほどとも言われている。
数年前までは話題になることも少なかったが、近年の飛躍的な技術向上によりOculusやソニー<6758>などが相次いでVR製品を発売。電子機器に詳しくない人々のうちでも話題に上ることが多くなり、その活用法に注目が集まっている。
そのような中、ダックリングズはVRを使った遠隔地からの結婚式参列サービス「HUG Wedding」の展開を開始した。これはVRの技術を使い、まるで現地で結婚式に参列しているかのような体験をすることができるサービスである。高齢者や病人、寝たきり状態のような結婚式に参列できない人にヘッドマウントディスプレイを装着し、現地で撮影された映像を配信する。テレビ映像とは違い、360度、振り返っても結婚式場にいるような映像や音響を体験できるため実際に参列したかのような感覚になるだろう。また、体験者をサポートするスタッフも付いているのでVRに馴染みがない人でも安心して体験することができる。
このように、VR活用の場は広がっている。ゲームや映画、音楽などのエンターティメント分野で活用すれば自宅にいながらファンタジーの世界や野外ライブの臨場感を味わうことができる。VRを使ってショッピングをすれば、より自分に似合う服に出会うことができるだろう。さらに医療では高所恐怖症や社会不安などの生理治療に期待が寄せられている。今後はさらに教育やビジネス、介護など幅広い分野でVRの技術を体感する機会が広がっていくだろう。(編集担当:久保田雄城)