コシェ 2016年秋冬&17年春夏コレクション - 原宿に馴染む‟着られるクチュール”

2016年10月22日 23:12

 コシェ(KOCHÉ)- フランス・パリの新進気鋭ブランドが、東京へやってきた。東京ファッションウィーク3日目の2016年10月19日(水)に、2016-17年秋冬&2017年春夏のミックスコレクションを発表。日本初展開をサポートしたエイチ ビューティ&ユースとタッグを組み、TOKYOでしか見ることのできない特別なランウェイショーを企画した。

 パリコレクションの初参戦から数シーズン。わずかな時間で多くのメディアの話題をさらったコシェの魅力は、ストリートに根付いたファッション感性にある。

 まず、ショー会場の選択。特定客のみを招くエクスクルーシブな開催や煌びやかな‟ハコ”は選ばず、地元に根付いた地をセレクトする。今回は、原宿駅から数分の原宿通りが舞台。独特のファッション文化を支える古着屋から、うなぎ屋・ラーメン屋といったジャパニーズフード店などが密集するストリートだ。いくらかの交通制限はしたようだが、ショー中も歩行者が通り抜けられるほど人々に開放的なムードが広がっている。

 そしてモデルのチョイスも独特。デザイナーのクリステル・コーシェは、ファッションの枠を飛び越えて芸能・音楽業界から、時にストリートキャスティングも行っている。今回はモデルの鈴木えみ、黒田エイミ、すみれ、大屋夏南、Taikiから、シトウレイ、マドモアゼル・ユリアまで、日本カルチャーを支える人物を抜擢した。

 ブランドコンセプト「着られるクチュール」を体現するように、洋服はとてもタウンユースを意識。ロゴ入りフーディ、ワイドパンツはランウェイピースへと昇華され、パイソン柄のボトムスやキャミソールドレスと並んで登場している。レディライクなウェアは、ニューバランスのスニーカーとのマッチやパンツとのレイヤードによってカジュアルダウン。

 反して、スウェットトップスには、大手メゾンでキャリアを積んだクリステルならではのテクニックで華やぎを添える。胸元にあしらわれた立体的な刺繍は、大小さまざまなビジューを用いたもの。ドレスの上には幾何学的な切り替えが施され、プリントとレースの掛け合わせ、流れるようなアシンメトリーなカッティングといったディテールでもその腕前は発揮されている。

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