経団連、各政党を評価 TPPと原発姿勢に関心
2016年10月19日 12:32
日本経済団体連合会はGDP600兆円経済の実現に向けてまとめた会の方針に照らし、与党の評価を行うとともに「主な野党についてもどのような政策を主張しているか検証した」として18日、評価を発表したが、主な野党の対象は「民進党」と「日本維新の会」のみで、「日本共産党」「自由党」「社会民主党」は対象から外している。経団連にとって、政治献金対象政党が自民・公明・民進・維新までとの意識も透けそう。
そのうえで、政策評価をみると、与党について「自由民主党を中心とする与党はGDP600兆円経済の実現に向けた官民戦略プロジェクト10、ニッポン一億総活躍プラン、大型の経済対策等を策定・実行するとともに、経済連携協定やインフラシステム輸出の推進など、 内政・外交両面において強力に政策を推進し、成果を上げており、高く評価できる」とした。
また「引き続き、デフレ脱却と経済再生を確実に実現するとともに、Society5.0の推進、痛みを伴う社会保障制度改革と財政健全化、労働市場改革、抜本的な規制改革に、より一層、強力に取り組むことを期待する」と安倍政権の政策推進にエールを送った。
新潟県知事選では原発再稼働に反対を鮮明にして戦った候補が当選したが、経団連は原発に対しては自民党政策について「安全性の確認された原子力発電所の再稼働を進めている。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を見直した」などをあげ、課題として「安全性が確認された原子力発電所の再稼働の加速」「2030年エネルギーミックス実現に向けた取り組みの推進」をあげた。
また、自民党の法人税改革について「2016年度の法人実効税率を29.97%に引き下げ、更に2018年度に29.74%まで引き下げることとしている」とし、課題について「法人実効税率の25%への引き下げとともに、研究開発促進税制の維持・拡充」を求めている。
民進党について、注目した政策にあげた中で「2030年代に原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入することを掲げている」としたほか「2020年度基礎的財政収支の黒字化目標を守ることを掲げている」。また「今回のTPP合意については反対することを掲げている」などをあげている。
日本維新の会については「原発の再稼働には世界標準の安全規制、原子力損害賠償制度の確立等5項目を内容とする『原発再稼働責任法』の制定が不可欠であることをあげている」「TPPをテコに、RCEP、日中韓FTA、日EUEPA/EIA等、域内経済連携への積極的関与を掲げている」とするなど、原発政策とTPPへの関心の高さをうかがわせている。(編集担当:森高龍二)