フィンテックの普及で個人情報漏れ対策強化 みずほが常時SSLを導入
2016年10月9日 20:35
みずほフィナンシャルグループ(FG)<8411>が、ウェブサイト内の全ページを暗号化する技術「常時SSL」を10月から導入する。金融とITの融合「フィンテック」の普及が進み、インターネットを通して顧客とつながることが増えたという現状が背景にあり、グループが一体となって個人情報漏れ対策に尽力する。
全面的にSSLの導入に踏み切るのは3メガ銀行では初めてのことで、傘下のみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ情報総研、みずほ証券の4社でも順次対応を進めるとのこと。ホームページの閲覧件数は、傘下の4社とみずほFGを合わせて数百万に上る。従来の個人情報の入力画面やインターネット上の決算サービスに限らず、全面的に導入することで安全性を高めるという。
常時SSLの導入で、個人情報の書き換えや顧客の閲覧情報を盗み取るといった危険を回避する効果が期待できる。また、閲覧した全ページに安全証明書が発行されることで「フィッシング詐欺」に遭うリスクも減る。
フィッシング詐欺とは、メールなどで類似サイトに誘導し、各種暗証番号などを入力させるなどして個人情報を不正に入手する詐欺だ。各種暗証番号や口座番号などの情報を要求するメールには十分注意しなくてはならない。
みずほFGの佐藤康博社長はフィンテックを強化すべく、IT関連企業などとの連携を模索し、2016年度中にも事業化する方針を示唆していた。16年~18年度までの新たな中期経営計画では、経営の柱の1つとしてフィンテックをあげている。
そして9月15日には、みずほ銀行がソフトバンク<9984>と提携し、個人向け貸金サービスを目的とする合弁会社を設立することで合意した。フィンテックに基づく貸金業務を行うことが明らかになり、佐藤社長は「今までとはまったく違うレンディングの世界をつくる」と述べている。
顧客にとってもメリットが大きいフィンテックだが、安心して利用できるものでなくては意味がない。安全面を第一に考えたサービスの提供が求められる。(編集担当:久保田雄城)