『CEATEC JAPAN 2016』、ローム・ブースで「OPEN HACK CHALLENGE」優秀作展示
2016年10月8日 21:48
『CEATEC JAPAN 2016』が、2016年10月4日(火)開幕した。10月7日(金)までの4日間、千葉幕張メッセで一般公開する。
今年で17回目を迎えたCEATEC JAPANは、今回「IT・エレクトロニクスの総合展示会」から「CPS/IoT Exhibition」に大きく舵を切り、転換点を迎えた。未来を見据えたコンセプトや新しいビジネスモデルを発信する場として、ITと物理的なデバイスや機械を接続した高度システムを指し示すCPS(Cyber-Physical System)とあらゆるモノがネットで繋がるIoT(モノのインターネット)の「テクノロジーショーケース」に生まれ変わった。
生まれ変わったCEATECでは、CPS/IoTが想像も出来なかったモノやコトがどんどん生まれてきそうだ。その可能性をひろげる半導体ソリューションをさまざまなカタチで展開する京都の半導体メーカー ロームは、そのテクノロジーを通して無限のアイデアをカタチにする最先端デバイスを展示した。
同社はこの夏、オープンイノベーション活動の一環としてデバイスを使ったアイデアコンテスト『ROHM OPEN HACK CHALLENGE』を開催し、その優秀作品をブースで展示した。これは同社のマイコン・センサ・無線など4種デバイス技術を活かして、一般のエンジニアやクリエイター、学生などが作り上げたモノやコトを競うコンテストである。
ロームでは、このコンテストに先立って今夏、京都「MTRL KYOTO」と、東京「Loftwork COOOP」の2会場で、コンテストで使用する4つのキットを間近で体験できるイベントも開催した。
今回受賞した優秀作品の一部を紹介すると、まずイノベーティブ賞の「Lazuride」と題した未開拓の自転車シェアサービスは、ローカルエリアで自転車の貸し借りを実現する、自転車専用のスマートロックシステムだ。専用アプリで自転車の空き時間と料金を確認し、スマホで解錠。自転車の有効利用につなげるサービスで、消費電力の少ない小型のマイコンボード「Lazurite 920J」を使用し、長時間の利用にも耐えられる。カギの解錠はソレノイドのON/OFF切り替えを使い、Bluetoothでスマホとやりとりする。この「自転車シェアサービス」が今回の受賞作品のなかでもっともビジネスに繫げやすいアイデアとして評価が高かった。
もっともインパクトがあったグランプリ賞は「けん玉楽器」。海外でも“KENDAMA”として話題のけん玉に小型センサモジュールのSensor Medalを搭載。玉の動きに合わせて音を鳴らし、スマホ上でVJや照明をコントロールするなど、新しい遊び方を提案する。Sensor Medalに搭載された加速度・角速度・地磁気・気圧センサーを駆使して、多様な動きを検知。Bluetoothシールドを搭載したArduinoにデータを送り、MIDIを鳴らして音を生み出す、けん玉と楽器が融合した遊び心あふれたアイデアだった。
次年度の開催など詳細は決まっていないようだが、継続に期待したいコンテストといえる展示内容であった。(編集担当:吉田恒)