クレージュ 2017年春夏ウィメンズコレクション - 伝統美を未来へと繋げる

2016年10月5日 11:31

 クレージュ(courrèges)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2016年9月28日(水)に発表された。

 アルノー・ヴァイヤンとセバスチャン・メイヤーも3シーズン目を迎えた。昨シーズンまでの半円状ランウェイから舞台を移し、新しい形で新作ウェアを披露する。発表形式は変更になったが、彼らのクリエーションの原点は変わらない。創設者アンドレ・クレージュへの敬意と、フューチャリスティック・スポーティ・イノベーションの3つの掟はいつも隣にあるようだ。

 アンドレがコレクション発表を行っていた時代。当時、ランウェイにスポーツの要素を持ち込むことがとても斬新で、アバンギャルドであった。時代は移り変わり現代は、スポーツミックスが当たり前となっているが、デザイナーデュオは変わらず「スポーツ」に新鮮味を見出している。

 ランウェイに登場したのは、ダイバー素材風のボンディングボディスーツ、細身のジャケット&パンツだ。どれも身体にピタッとフィットし非常にタイト。厚みがあり柔らかな素材は美しいボディラインを強調し、スポーツ着想ながら女性らしさを表現する。ホワイトのテーピングはアスレチックさを誇張し、シルバーのブローチは近未来的だ。

 フューチャリスティックのアイデアは、コミカルにも落とし込まれた。スペースステーションのモチーフパッチワークとなりジャケットへ、そしてプリントとなりTシャツに姿を現している。アイコンのビニールジャケットは新素材でアップデート。軽く柔らかな生地を用いて、ビニールの重さを取り除き、アーカイブの良さを保ちながら、次世代が担う未来へと繋げる。

 ‟カンガルーポケット”で話題をさらったミニドレスは、前身頃にクロスで布を貼り合わせてポケットをあしらったもの。シンプルな作りであるが、凹凸感のあるシルバー素材は未来的な光を放ち、他のコレクションピースと波長が合っている。

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