4~6月期のモバイル機器出荷は前年割れ―家庭向けPCが2桁減
2016年10月4日 12:06
IDC Japanが4日発表し2016年4月~6月期のた国内モバイルデバイスの出荷台数実績は、前年同期比0.1%減の1,064万台だった。スマートフォン、タブレットはプラス成長だったが、家庭向けPCが2桁のマイナスで全体を押し下げた。
同社によると、スマートフォン市場はアップルのiPhoneの出荷が底支えし、前年同期比1.2%増、タブレットはファーウェイなどの通信事業者向け出荷が増加したことで、同5.8%増だった。
PCは、当初2016年10月末に予定されていたビジネス市場向けWindows 7搭載PCの最終出荷に向けて、大きく出荷を伸ばしたが、家庭市場向けが2桁のマイナス成長となり、同1.2%減のマイナス成長となった。
2016年の国内モバイルデバイス市場の見通しは、前年比4.6%減の4,571万台と予測しているという。2016年のPC市場は、Windows 7搭載PCの最終出荷期限が延期となったことから企業の需要が高まらず、昨年をやや下回る出荷となる見込み。家庭市場はPCの購買を促進する要素が少なく、2016年のPC市場はマイナス成長になると予測する。
タブレット市場は、市場を支えてきたB2B2C案件が今後減少する見通し。家庭市場ではWi-Fiモデルを中心にキラーアプリケーション不在の状況が続いており、大型スマートフォンとの競合もあることから、タブレット市場全体としては2016年通年で前年比マイナス成長になると予測する。
スマートフォン市場は、企業向け携帯電話のスマートフォンへの切替えが進むことで、ビジネス市場向けではプラス成長が見込まれる。一方、家庭市場向けは通信事業者のキャンペーンが抑制されることでマイナス成長となり、スマートフォン市場全体としてはマイナス成長を予測する。
これらを総合して、2016年の国内モバイルデバイス市場の家庭市場向け出荷は前年比5.6%減の3,543万台、ビジネス市場向け出荷は1.0%減の1,028万台と予測する。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「PCビジネス市場は、Windows 7搭載モデルの最終出荷期限が延期になり、第2四半期から第3四半期中頃に出荷されたPCの在庫調整によって出荷は停滞することが予測される」「タブレット市場やスマートフォン市場は、家庭市場向けが中心であるが、各機器の需要の一巡や買替えを行う理由が見出しにくい状態が続くことが予測され、2016年はマイナス成長となると予測される」と述べている。
同社のモバイルデバイス市場の調査では、スマートフォン市場、タブレット市場、PC市場、データ通信カードなどのData Communicationが含まれる。