民進党は凶暴化する資本主義のゆがみ是正の提案必要―菅直人氏

2016年10月3日 11:03

 菅直人元総理は「自民党政権は非正規雇用の拡大など資本主義の凶暴化を手助けする政策をとり続けている」とし「資本主義の狂暴化に歯止めをかけ、分厚い中間層復活を目指す政策を正面から提案することが重要で、民進党の責務だ」と凶暴化する資本主義の歪是正の提案必要と強く呼びかけた。

 菅元総理は、無国籍化する巨大企業と従業員より株主優先を強める経営者の視点を問題視し「日本経済が成長を続けていた1960年代、日本の多くの経営者は資本家=株主の利益よりも従業員=労働者の生活を考えた経営に重点を置き、終身雇用、年功序列といった『日本型経営』をしてきた。その結果、経営者と従業員の賃金格差が比較的小さい、一億総中流社会が実現した」と振り返った。

 現在は「経営者の姿勢が、従業員の事より株主の顔色を重視する経営に大きく変わってきた」とし「従業員をリストラしても、株価を上げた経営者が評価される傾向が強くなり、経営者は一般の従業員とは、けた違いの高額報酬を手にするようになった」と利益最優先、株主優先、自身の経営者としての保持地盤優先の姿勢を強めていると指摘した。

 また「巨大企業は賃金の低い国に工場をいつでも移せるなど無国籍化し、他の国に工場を移すという脅しによって、その国の労働者の賃金を低く抑える力を持つようになった」とし「無国籍化した企業は利潤の極大化という資本の論理を貫徹する狂暴化した資本主義に変わってきた」と資本主義の歪を提起。「民進党は資本主義の狂暴化に歯止めをかけ、分厚い中間層の復活を目指す政策を正面から提案することが重要だ」とした。(編集担当:森高龍二)

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