【株式市場・今週の展望】ヨーロッパ発リスクをノーベル賞が打破するか
2016年10月2日 22:25
今週、10月第2週(3~7日)は5日間の取引。来週月曜日の10日は「体育の日」で祝日なので今週末は3連休になる。上海市場はずっと休場。3日は日銀短観の発表。6日にワシントンDCでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。7日は毎月第1金曜日恒例のアメリカの雇用統計の発表日。2月期決算の小売業は中間期の決算発表シーズン。
今週はノーベル賞発表ウィークで、発表される時間は日本時間で午後6時前後。3日は医学・生理学賞、4日は物理学賞、5日は化学賞、7日は平和賞の発表がある。経済学賞は来週10日。文学賞は未定だが通例は木曜日なので6日が最有力。日本人の受賞者が出れば世の中のムードが明るくなり、関連銘柄がにぎわえば個人投資家を呼び戻せる。
世界の主要株式市場の休場日は、3~7日に中国本土市場が連日休場する。上海市場は今週、売買がある日は1日もなく、10日までずっと休場する。来日する観光客も増えそうだ。3日に韓国、マレーシア、ドイツ(統一記念日)が休場する。
国内の経済指標、イベントは、3日朝の日銀短観が最も重要になる。
3日には9月調査の日銀短観、9月の新車販売台数、ノーベル医学・生理学賞発表。4日には9月のマネタリーベース、消費動向調査、日銀の企業物価見通し、ノーベル物理学賞発表。5日にはノーベル化学賞発表。6日には9月の輸入車販売台数、ノーベル文学賞発表(最有力の日だが13日になる可能性もある)。7日には8月の毎月勤労統計調査、景気動向指数速報値、ノーベル平和賞発表。
4日は「投資の日」で、最近は当日または直前営業日の日経平均の騰落が大きく勝ち越している。4~7日に映像・情報・通信の国際展示会「CERTEC JAPAN(シーテックジャパン)2016」が千葉市の幕張メッセで開催される。
主要銘柄の決算発表は、高島屋、イオン、セブン&アイ、しまむら、良品計画、ABCマートなど小売業の3~8月期たけなわ。
3日はキユーピー、クリエイトSDHD、不二越、象印マホービン、オークワ、しまむら、パルコ、ダイセキ。4日はJフロントリテイリング、バイク王&カンパニー、タカキュー、アオキスーパー。
5日はカネコ種苗、イオン九州、ABCマート、わらべや日洋HD、ウエルシアHD、イオンファンタジー、東京個別指導学院、三協立山、良品計画、サンエー、イオン、イオンモール、イオンディライト、ベルク。6日はパソナG、セブン&アイHD、オーエスジー、ナガイレーベン、くろがね工作所、乃村工藝社。7日はサカタのタネ、CVSベイエリア、キリン堂HD、ポプラ、シグマ光機、オンワードHD、ワキタ、島忠、チヨダ、高島屋、東武ストア、天満屋ストア、吉野家HD。
新規IPOは今週は1件。7日にキャピタル・アセット・プランニング<3965>がジャスダックに新規上場する。大阪市が本社で、生命保険会社など主に金融機関を対象にシステム開発、保守・運用、コンサルティングなどを行う。公開価格は2000円。
10月の新規IPOの予定は、九州旅客鉄道<9142>が25日にあるが、全部で6件しかない。なお、10月3日に東証1部と福岡証券取引所に上場する西日本ファイナンシャルHD<7189>と東証2部に上場するD.A.コンソーシアムHD<6534>は、経営統合、持株会社化に伴うもので新株発行の公募はなく、新規IPOとはみなされない。
海外の経済指標、イベントは、7日のアメリカの雇用統計とその「前座」の5日のADP雇用統計以外では、3日の製造業、5日の非製造業のISM製造業景況指数が重要になる。
3日にはアメリカの9月のISM製造業景況指数、8月の建設支出、9月の自動車販売台数。5日にはアメリカの9月のADP雇用統計、8月の貿易収支、9月のISM非製造業景況指数、8月の製造業受注。7日にはアメリカの9月の雇用統計、8月の消費者信用残高、ブラジルの9月の消費者物価指数(CPI)。
4日にオーストラリア準備銀行、インド準備銀行の理事会があり政策金利が発表される。4日にアメリカ大統領選挙は副大統領候補のテレビ討論会が開かれる。民主党は上院議員のティム・ケイン氏、共和党はインディアナ州知事のマイク・ペイン氏。名前がまぎらわしい。6日にECB(欧州中央銀行)が9月8日の理事会の議事要旨を発表する。ワシントンDCでは6日にG20財務相・中央銀行総裁会議が、7~9日にIMF・世界銀行年次総会が、それぞれ開催される。7日にフィッシャーFRB副議長と、もしクリントン氏が当選したら財務長官としてホワイトハウス入りが噂される、ブロンドのロングヘアがトレードマークの女性FRB理事のブレイナード氏が、それぞれ講演を行う。9日の日曜日には、クリントン氏とトランプ氏がアメリカ大統領選挙の2回目のテレビ討論を行う。トランプ氏はどう逆襲するか?
アメリカの主要企業の決算発表は、4日にマイクロン・テクノロジー、5日にモンサント、ヤム・ブランズ、グローバル・ペイメンツが発表する予定。
前週末9月30日の終値は16449.84円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は75日線が下で、5日線、25日線、200日線が上にある。16359円の75日線は90円下、16567円の5日線は118円上、16720円の25日線は271円上、16773円の200日線は324円上にある。200日線と25日線の差は53円まで縮まり、もはや孤高の存在ではなく周辺の惑星群の一つにすぎない。
日足一目均衡表の「雲」は、9月30日は15903~16565円に位置し、終値は雲の中に埋もれていた。今週は雲の下限は15903円で一定だが、上限は動く。3日の上限は16518円、4~6日は16500円をわずかに下回るが、7日は16525円に戻る。50~70円ほど上昇すれば雲の上に出られる。
ボリンジャーバンドでは、9月30日終値は25日線-2σの16302円と-1σの16511円の間のゾーンにある。ニュートラル・ゾーンではないが、そこから62円下に離れただけで、「下値限定」とは言いがたい。
オシレーター系指標は、前週に毎日「200円上がり、200円下がり」しているうちに「売られすぎ」のシグナルも「買われすぎ」のシグナルも点灯しなくなった。25日騰落レシオは111.0でけっこう高いレベルにあるが、25日移動平均乖離率はマイナスで-1.6%。RCI(順位相関指数)もマイナスで-12.6。サイコロジカルラインは5勝7敗で41.7%、RSI(相対力指数)は38.6、ストキャスティクス(9日・Fast /%D)は46.62、ボリュームレシオは46.0で、みな低位にある。