NYの視点:イエレンFRB議長は12月の利上げの可能性繰り返す、市場は懐疑的

2016年9月29日 07:29


*07:29JST NYの視点:イエレンFRB議長は12月の利上げの可能性繰り返す、市場は懐疑的

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は米下院金融サービス委員会の証言で、依然として労働市場に対して楽観的な見方を維持していることを明らかにした。米国の雇用創設ペースは潜在的ペースを上回るとしたほか、失業率も低水準で安定していることを「ポジティブサプライズ」とした。一方、インフレに関しては、「上向きな圧力は見られない」と依然悲観的。また金融政策に関しては、「緩和的」だとしたほか、過熱経済が急激な利上げを強いる可能性があるために回避する必要があるとし、そのために次の行動として利上げを模索していることを明らかにした。また、ほとんどのメンバーが年内の利上げが必要との見方を示していると指摘。年内の利上げがリスクとはならないと見ていることも明らかにした。

一方で、国際通貨基金(IMF)は来週発表する世界経済の見通しにおいて、世界経済や米国経済の見通しを引き下げる見込み。2016年の世界経済見通しは7月予測で2.2%だった。年後半の経済、特に先進国経済の成長が停滞したことを理由に挙げた。現在のところ、米国の2016年経済は2009年以来で最低の伸びに留まる見通し。IMFのラガルド専務理事は特に主要国における金融政策の方向性の違いが金融市場の不安定化の引き金になりかねないと警告。FRBの利上げに向けた慎重な対応を求めた。市場も依然として年内の利上げには懐疑的なようだ。米金利先物市場での12月の利上げ確率は依然50%。ドルの方向性もつかない。12月FOMCまでには、9月、10月、11月雇用統計が発表されるほか、大統領選挙結果も明らかになる。《NO》

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