10月開始のApple Payが新たなスタンダードになる可能性

2016年9月16日 08:00

 ついに「Apple Pay」が10月後半から日本で開始される運びとなった。Apple PayはiPhone 7、iPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2で利用でき、店舗やウェブサイト、アプリケーションの買い物などができる決済サービスである。端末にあらかじめクレジットカードやデビットカードを登録し、支払いの際に端末に搭載された指紋センサー「Touch ID」に指を乗せると決済が完了する。

 JR東日本<9020>の「Suica」、NTTドコモ<9437>の「iD」、JCB等が推進する「QUICPay」もApple Payで利用でき、小売店、自販機、駅の改札などでiPhoneをかざして支払いができるようになる。日本で馴染みのある「おサイフケータイ」のApple版といったところだ。

 スーパーマーケットの会員カードや航空会社のマイレージカードなど様々なカード情報をiPhoneに格納し、必要に応じて取り出して利用したり、アプリを経由してカードの管理を行えるという。将来的には、モバイル機器の中にカードや個人情報を登録して利用できるシステム「モバイルウォレット」として、社員証や身分証明、家や車の鍵までも取り込む狙いがあると見られている。

 そして、特筆すべきはセキュリティと個人情報の扱いだ。支払いの際にTouch IDによる指紋認証が必須であるため、iPhoneが盗難されても本人以外は利用できない。利用状況については、カード情報や履歴をサーバーに保管せず、すべて端末内で完了する仕組みだ。サービス事業者の多くは、消費者の行動記録や動向を入手したがるものだが、Apple社は一切関知しないスタイルである。

 先日はトヨタ<7203>がApple Payに対応することを発表し、同社が発行するクレジットカードのポイントプログラムも対象になるという。

 Apple Payがいち早く展開されている米国では、iPhone利用者の4人に1人はApple Payで決算を試したことがあるという。携帯電話をタッチするという文化が発達していなかった米国でも受け入れられているようだ。日本では、おサイフケータイやSuicaなどで「かざして支払う」という習慣がすでにあるため、日本人の生活にすんなり溶け込むだろうと考えられる。(編集担当:久保田雄城)

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