NYの視点:米8月小売に注目
2016年9月15日 07:26
*07:26JST NYの視点:米8月小売に注目
9月連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた材料がそろいつつある。ただ、強弱まちまちの結果で利上げに向けた不透明感が直ちに払拭する可能性は低い。ドルもFOMCの会合までは方向感なく上下に振れる展開が予想される。
米商務省は米国東部時間15日、8月小売売上高を発表する。米国経済の7割を消費が占めるため、小売売上の動向は米国経済の動向を探る上で重要視される材料の1つ。市場エコノミストの平均予想は前月比で‐0.1%と、7月の横ばいから3月来のマイナスに再度落ち込むと見ている。万が一、小売が予想を上回る結果を示すと、9月の利上げ観測が再び上昇する可能性も残る。
一方、最新の米国製造業動向やインフレ動向も明らかになる。9月のニューヨーク連銀製造業景気指数は‐1.0と、9月の‐4.21に続き2ヶ月連続のマイナスが予想されている。ドル高や海外需要の鈍化が依然として米国経済の製造業を圧迫している証拠となり、時期尚早の利上げに反対姿勢を示したブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事の見解を裏付ける可能性もある。
米労働省がワシントンで15日発表予定の8月生産者物価指数(PPI)は、前月比で+0.1%と7月-0.4%からプラスに改善が予想されている。変動の激しい食品、エネルギーを除いたPPIも前月比+0.1%と、7月の‐0.3%からプラスに改善予想。前年比でも+0.1%、PPIコアも+1.0%と、それぞれ7月から改善が予想されており、「インフレが上昇する兆候が見られる」とのFRB高官らの見解を裏付ける内容が期待されている。《NO》