4~6月の国内タブレット出荷、5.8%増の179万台―ファーウェイが躍進=IDC Japan
2016年9月14日 12:51
IDC Japanが14日発表した国内タブレット市場の2016年第2四半期(4月~6月)の調査結果によると、出荷台数は前年同期比5.8%増の179万台だった。全体の約78%を占める家庭市場向けが同22.0%増と堅調だった。
セグメント別では、家庭市場向けは前年同期比22.0%増の140万台、ビジネス市場向けが28.3%減の39万台だった。家庭市場向けタブレットは、ファーウェイ(Huawei)が通信事業者向けを中心に出荷台数を前年同期比で約7.2倍に伸ばし、市場をけん引したという。
ビジネス市場向けの出荷は、学校などの案件はいくつかあったが、B2B2Cなどの大型案件が無かったことや、企業のタブレット需要が低かったことがマイナス成長の主な要因という。
メーカー別の出荷台数の上位5社は、1位から順にアップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、京セラ、エイスース(ASUS)だった。アップルは、iPad Proの出荷とiPad Air2の価格改定で出荷台数を前年同期比9.6%増に伸ばし、シェアは43.8%と高い数値を維持している。出荷台数が前年同期比で約7.2倍と好調だったファーウェイは、シェアを1-3月期の18.2%から22.8%に伸ばした。
タブレット市場を「デタッチャブルタブレット」(ハードウェアキーボードが脱着できるタブレット)と「スレートタブレット」(通常のスレート型タブレット)で分けて見ると、デタッチャブルタブレットの出荷台数は42万台(前年同期比52.5%増)、スレートタブレットは137万台(前年同期比3.3%減)だった。
デタッチャブルタブレットの出荷比率は23.5%と、徐々にタブレット市場の中で出荷比率を高めている。デタッチャブルタブレットは、従来Windowsタブレットが中心だったが、2015年第4四半期(10月~12月)以降、アップルのiPad Proの出荷開始にでこの比率が高まってきていることが大きな要因という。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は今後の見通しについて、「デタッチャブルタブレットは、CPUが高性能化しつつあり、特に家庭市場ポータブルPCのプレミアムゾーンを置換える存在となってきている」「今後スマートフォンに慣れたユーザーがPCの購入を検討する際、スマートフォンに近い操作性でPCを操作できるデタッチャブルタブレットが選択される可能性が高まっていくだろう」と述べている。