【注目銘柄】コスモエネルギーホールディングは市況関連の出遅れ、配当利回り妙味が増す
2016年9月13日 11:34
コスモエネルギーホールディング<5021>(東1)は、市況関連の出遅れ、配当利回り妙味が増す銘柄として注目したい。
同社は、昨年10月に「グローバルな垂直型一貫総合エネルギー企業」への変革を実現すべく、持株会社体制へ移行。コスモエネルギーグループの体制は持株会社ならびに資源開発会社、供給会社、販売会社の3つの事業会社を中心とした体制に生まれ変わり、新体制になることで事業ごとの競争力やアライアンスを強化していくとともに、経営資源の最適化を推進し、資源開発事業、リテール事業、風力発電事業を成長ドライバーと位置づける強固な体制を構築して、さらなる成長と安定配当を実現している。
同社は、2013年度を初年度とする「第5次連結中期経営計画」で掲げた石油精製販売事業における収益力の回復、石油化学事業および石油開発事業等における前中期経営計画で策定した戦略投資の確実な回収を遂行している。17年3月期における原油価格40ドル/バレル、為替110円/ドルを前提としている。
今2017年3月期第2四半期業績予想は、売上高が1兆2090億円、、営業損益が380億円の黒字、経常損益が340億円の黒字、最終損益が205億円の黒字を見込んでいる。※15年10月1日に単独株式移転により設立されたため、第2四半期連結累計期間の対前年同四半期増減率は記載していない。
通期業績予想は、売上高が2兆5200億円(前期比12.3%増)、営業損益が775億円(同297億4200万円の赤字)、経常損益が675億円の黒字(同361億2100万円の赤字)、最終損益が475億円の黒字(同502億3000万円の赤字)と黒字転換を見込んでいる。配当は期末一括50円(同10円増)を予定している。
株価は、1月5日の年初来高値1640円から8月30日に年初来安値1031円まで調整。9月7日安値1041円と売り直されて上昇。ミニゴールデンクロスを示現し、出直る動きを強めている。資源開発事業では筆頭株主であるIPICが出資するセプサ社と戦略的包括提携契約を締結し、アブダビ国営石油会社と3社で定期的にワークショップを開催し、新規権益獲得を目指していることや、リテール事業では個人向けカーリース事業を核に、カーライフ関連市場を開拓、風力発電事業では三重県度会町での運転開始を予定していることが注目される。今期予想PER2倍台と割安感があるほか、配当利回りは4.3%と利回り妙味は増す。出遅れ感のある市況関連として水準訂正高が進むか注目したい。(N)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)