食事改善でヘルスケアをサポート―ビデオチャットによる遠隔栄養指導サービス

2016年9月8日 08:25

 介護・医療・ヘルスケア領域で情報サービスを提供するエス・エム・エスは個人に合わせた遠隔栄養指導の対面サービスを、企業や健康保険組合などの法人向けに展開する。同社が運営する栄養士約7万人(うち3万名超は管理栄養士)を抱えるコミュニティサイト「エイチエ」を基盤とした栄養士のクラウドソーシングと、スピンシェルが提供するビデオチャットシステム「LiveCall(ライブコール)」を活用することで、従来手軽に実現することが難しかった個別の対面栄養指導を遠隔にて実現する。

 同サービスでは特別なソフトを必要とせず、ブラウザからビデオ・音声・テキストチャットによる双方向コミュニケーションが可能。「LiveCall」の自動着信配分機能により、ユーザーの要件やニーズに応じたスキルを持つ栄養士に自動配分される。これにより、たとえばダイエット指導や健康指導などの個別のニーズに対して専門性の高いサービスが提供できる。

 栄養管理・指導に関するサービスについては、医療・介護などにかかる社会保障費の増大が深刻な社会課題となるなかでニーズが高まっている。食生活の改善や運動習慣は生活習慣病予防や健康維持にとって高い効果が認められており、医療費の抑制にも寄与することから予防活動の重要性が高まっている。クックパッドダイエットラボが2008年よりICTを用いた食事指導サービスの提供を行っているほか、ヘルスケア・フィットネス領域ではソフトバンク<9984>が提供するサービス「カラダサポート」の一環として栄養士による食事指導のメニューがあったり、FiNCが医療・食事・運動等ヘルスケア専門家に特化したクラウドソーシング事業「FiNC Online Works」を展開予定だったりと、栄養指導が健康維持・増進のためのメニューに組み込まれている。

 介護・福祉領域においても将来栄養管理・指導がこれまで以上に重要となる可能性があり、デイサービス事業や自社デイサービスへの配食事業を展開するケアサービスでは、厚生労働省老人保健健康増進等事業として、新しい介護保険サービスの制定を視野に入れて行われている調査研究に協力。食べる機能や栄養状態の悪化の兆候を早期に把握し、栄養改善を促すことで要介護状態悪化の防止を目指す。

 栄養指導が当たり前に受けられることで、国民全体的な健康状態の改善が見込まれ、医療費抑制や労働人口の確保及び要介護人口の減少にも繋がることから、栄養管理・指導に関するサービスの役割は今後ますます大きくなると考えられる。(編集担当:久保田雄城)

関連記事

最新記事