海自の練習機最大5機と操縦方法等フィリピンに移転
2016年9月7日 11:05
防衛省は目視に頼ることなく、航空機の姿勢、高度、位置、進路の測定を計器のみにより行う計器飛行教育用の海上自衛隊練習機「TC-90」と関係器材(整備器材、地上支援器材など)技術情報(操縦、整備など)をフィリピンに移転することを両国首脳間で6日、合意したと発表した。
先月末、国家安全保障会議で審議し、海外移転を認め得る案件に該当することを確認しているとしている。また、稲田朋美防衛大臣は6日の記者会見で「価値観を共有する、特に東アジア、太平洋地域の平和と安定にとって、そういった国々との関係というのは重要だろうというふうに思っている」と語り「フィリピンに対し、能力向上のための支援をするということは非常に重要だろうというふうに思っている」とした。
フィリピンは多数の島々によって国土が成り立つ島嶼国で、人道支援・災害救援、輸送、海洋状況把握に関する能力の向上は重要な課題になっているという。このため「最大5機のTC-90のフィリピンへの移転を行うとともに、フィリピン海軍要員の教育・訓練の支援とフィリピン海軍による運用を持続していくための維持整備分野に係る支援を行う」計画だ。
防衛省は「救難、輸送、警戒、監視に係る協力として、友好国であるフィリピンとの安全保障・防衛協力の強化に資することから、我が国の安全保障の観点から積極的な意義を有するもの」と説明している。(編集担当:森高龍二)