東京大・東北大、海洋波浪によって発生した超微弱な「脈動S波」検出に成功

2016年9月4日 16:58

あるAnonymous Coward曰く、 東京大学および東北大学の研究者らが、大西洋の海洋波浪によって発生した地震波を日本の観測記録を使って検出することに成功したという(AFP東北大学の発表)。

 検出された地震波は、2014年12月に大西洋で発生しイギリスやアイルランドに被害をもたらした爆弾低気圧によって波浪が海底に繰り返し打ち付けられたことで発生したもの。

 昨今では遠方の嵐によって発生した脈動の観測が注目されており、すでに数千km以上離れた嵐によって励起されたP波が観測可能であることが示されているが、今回の研究ではP波に加えて初めてS波を検出したという。また、低気圧の移動に伴って震源が移動している様子も明らかになったという。

 このような嵐によって発生したP波・S波は地球内部を通過して届くため、これを利用して嵐直下の地球内部構造を推定できる可能性があるという。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス

 関連ストーリー: ミュー粒子で桜島を透視する実験 2015年01月02日 日本の火山地域で火山性流体の圧力が高まっている可能性 2014年07月18日 地震波をコントロールする「地震クローキング技術」は実現可能? 2014年04月04日 マントル遷移層下部に「プレートの墓場」? 2008年02月14日 地球の内核は地表よりも速く回転する 2005年08月27日

関連記事

最新記事