味の素、タイで風味調味料の生産能力を40%増強―投資額24億円
2016年8月29日 22:24
味の素は29日、連結子会社のタイ味の素がタイのサラブリ県にあるノンケー工場の風味調味料「Ros Dee」(「ロッディー」)の生産能力を40%増強すると発表した。投資額は8億タイバーツ(約24億円)で稼働開始は8月の予定。タイで風味調味料の需要が伸びていることに対応し、風味調味料事業の拡大を図るという。
味の素によると、今回生産能力を増強する「Ros Dee」は、1979年に発売した風味調味料で、現在4品種を販売している。畜肉の風味を料理に加える汎用調味料として炒め物やスープなどに使用されている。積極的なマーケティング活動と家庭料理の幅広いメニューへの用途訴求や外食市場の開拓によって、販売量は2011年度以降、年平均5%以上伸長し、タイでトップシェアを維持しているという。
タイ味の素は、ノンケー工場の生産設備の増設と包装工程での自動化による生産効率の向上によって「Ros Dee」の生産能力を約40%増強する。また、異物混入防止やトレーサビリティ強化のための設備を充実させ、品質管理も強化する方針。
味の素の2015年度の推計によると、タイの風味調味料市場は家庭での使用頻度の増加と、屋台を中心とした外食市場での使用機会の拡大によって、過去5年間で約1.3倍の約7万トンの規模に拡大し、今後も一層の市場拡大が見込まれるという。
味の素グループは、2014年~2016年の中期経営計画で、海外コンシューマーフーズ事業最大拠点であるタイを「Five Stars(アセアン、ラテンアメリカのコア展開国)」の一つとし、重要な成長けん引役として位置付けている。タイのコンシューマーフーズ事業は、2020年度に2012年度比で2倍の売上げを目指している。