新電力小売り、消費者はLooopの料金プランに高い関心
2016年8月26日 08:18
カカクコムは新電力の電力小売り事業について、同社運営の料金比較サイトから公式サイトにアクセスした件数で人気度を測った。調査結果は人気度1位がLooop、2位がJXエネルギー、3位がエルピオとなった。やはり料金の安さが人気に反映されているほか、1位のLoopでは基本料金を設けず従量料金の単位使用量当たりの価格を一律に定める分かりやすさが功を奏した。
Looopは昨年12月以降東北電エリアなどで特別高圧・高圧向けの小売りを開始。今年4月以降には東京、関西、中部電エリアで約1万5000件で低圧電力の供給しており、年末までには北海道、東北、中国、九州にも販売地域を広げる計画。電源は他社水力6%、自社販売の太陽光設備からの買い取り20%で、残る74%は卸電力取引などで調達する。価格帯では従来電力に比べ5~10%程度割安になることもあるとのこと。価格の安さで勝負する新電力に脅威を感じる大手電力会社も、これに対抗して電気料金の値下げを発表している。関西電力全体では6月末での離脱数が26万件に達しており、10月から標準世帯の電気料金が安くなるプランを適用する。四国電力も電気料金値下げ検討している。
4月に全面自由化され消費者が購入会社を選べるようになった電力小売りでは、電力会社の変更を検討している人は約3割との調査結果が出ている一方、実際に変更したのは契約総数の2.4%にとどまり、月を追うごとに契約切り替え割合が鈍化している。7月末時点の契約切り替えが累計147万3000件となり、6月末比で16.5%増加したものの、伸び率を月次ベースで見ると5月が26.4%、6月が22.1%となっており、電力会社切り替え需要がひと段落したと見受けられる。トラブルも発生しており、配電網を管理する東京電力系の東電パワーグリッドのシステムの不具合などが原因で電気料金の請求が約2万件遅れる事態となっている。新電力会社が原因でないトラブルも、事情を詳しく知らない顧客にとっては新電力に対するマイナスイメージにも繋がっているとのこと。
新電力小売りでは、電力会社を切り替えた人の割合は全体で見ると決して多いものではなく、電気料金面でのメリットなどの情報が届いていなかったり、切り替えを検討している段階で止まっている顧客が多く存在すると考えられ、潜在需要の高い市場だと言える。(編集担当:久保田雄城)