大阪は若い世代で人気― 国籍や年代による観光スポット訪問率の違いが明らかに

2016年8月16日 11:04

 インターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」が、中国、台湾、タイ在住の海外モニター629人を対象に、国内・都内で訪問した観光スポットや街の印象についての調査を行った。同調査結果では国や年代でのアジア系訪日外国人観光客の国内観光スポットに対する訪問率やイメージの違いが浮き彫りになった。全体としてはやはり東京(74.4%)・大阪(53.6%)・京都(40.7%)の人気が高いものの、大阪では20代の若い世代の訪問率が比較的高く(61.7%)、タイ人観光客には北海道が人気(48.6%)という結果になった。

 都内の観光地ではやはり新宿(65.0%)、銀座(56.0%)、渋谷(54.1%)に訪れる割合が高かったが、こちらも国籍や年代の違いで傾向の違いが見られた。年代が若くなるにつれて、新宿、銀座への訪問率が低くなり、逆に渋谷への訪問率が高くなる。20代では銀座の訪問率45.5%に対し、渋谷では57.1%。40代では新宿(75%)、銀座(64.1%)に訪問する割合が他の年代と比べて高くなっている。中国人は銀座(76.3%)に好んで訪問しているのに対し、タイ人には渋谷の人気が高く(68.7%)、台湾人では浅草(56.5%)や秋葉原(58.3%)などの人気が目立った。日本での印象深かった観光スポットでも中国人は年代に依らず「銀座」の回答が最も多く、台湾人では「浅草雷門」「浅草寺」の回答が最も多かった。

 こうした訪日外国人観光客の傾向を示す観光データを活用して、集客に成功している都市もある。兵庫県豊岡市の外国人宿泊者数は直近4年で宿泊者数が30倍に急増。2020年には11年の約100倍の10万人を目指している。同市は16年6月には市と民間企業でデータ収集やマーケティングを実行する「豊岡DMO」を立ち上げて、体系的に訪日外国人観光客向け施策を拡充してきた。同市を訪れる訪日外国人観光客の9割以上が城崎温泉で宿泊することがわかっており、一極集中で城崎温泉をアピールするほか、ネット上での動向分析とWi-Fiによるリアルでの導線分析を徹底し活用してマーケティングや誘致活動に役立てているという。

 今後も全体としての訪日外国人観光客増加が見込まれるなか、有用なデータから傾向を把握し、これをいかに活用できるかがインバウンド需要を逃さないために必須である。(編集担当:久保田雄城)

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