公正取引委員会が現在の携帯電話端末販売方式について「課題」を指摘

2016年8月12日 18:12

 公正取引委員会が、「携帯電話市場における競争政策上の課題について」の検討を行った結果を報告書として公開した(マイナビニュースJ-CASTニュース)。

 日本ではキャリアが通信契約と同時に端末の販売を行うのが一般的で、この際に端末価格に相当する金額を通信料金から値引くというオプションサービスが用意されている。今回の報告書ではこれについて、「MNO各社が販売する端末を有利な状況に置くこととなる」とし、独占禁止法上問題となるおそれがあると指摘している。また、SIMロックやいわゆる「2年縛り」、MVNOに対する通信網の一部設備へのアクセスなども課題として挙げられている。

 また、キャリアが販売代理店に対し「割賦契約の総額を機種ごとに一つの金額に固定している」ことが再販売価格の拘束や拘束条件付取引に相当する可能性や、端末メーカー又はMNOが不当に高い価格で中古端末を購入することについても不当高価購入や取引妨害等に相当する可能性があるとしている。

 そのほか、OS提供事業者やアプリケーション提供事業者が競合するOSやアプリケーションのプリインストールを妨害したり、自社アプリケーションをデフォルト設定で利用させたり、特定の場所に設置させることについても私的独占や抱き合わせ販売、排他条件付取引、拘束条件付取引、取引妨害等に相当する可能性があるとも指摘している。

 以前にも総務省がスマートフォン端末の大幅な値引きやキャッシュバックについて問題として指摘していたが(過去記事)、今度は公正取引委員会がこれらについて取り上げた形となっている。

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