象徴天皇としての務めなど、個人的思い語られる

2016年8月9日 08:07

 宮内庁は8日、天皇陛下がご自身の気持ちを述べられたお言葉を公開した。陛下は「80を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました」と冒頭に述べられた。

 そして「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います」とされた。

 陛下は個人の思いをされたうえで「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます」とされた。

 そして「これまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、1年間続きます。その様々な行事と新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが胸に去来することもあります」と披歴された。

 陛下は「憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません。このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました」と語られ「国民の理解を得られることを、切に願っています」と結ばれた。(編集担当:森高龍二)

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