核兵器無き世界を―松井一實・広島市長

2016年8月6日 20:05

 広島市の松井一實市長は原爆投下があった71年前の8月6日に合わせ、6日開催した平和記念式典で「2016年平和宣言」を世界に発信した。

 松井市長は「核兵器のない世界は日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する世界」とし「その実現を確実なものとするためには核兵器禁止の法的枠組みが不可欠」と安倍晋三総理に世界に向けてリーダーシップを発揮するよう求めた。

 平和宣言冒頭に松井市長は「(原爆が)朝鮮半島や中国、東南アジアの人々、米軍の捕虜などを含め、子どもからお年寄りまで罪もない人々を殺りくし、その年の暮れまでに14万もの尊い命を奪った」と大量殺りく兵器使用の残虐さ、そして、その犠牲になった人たちが日本人ばかりではなかったことを示した。

 また松井市長は「依然として世界には1万5000発を超える核兵器が存在する。核戦争や核爆発に至りかねない数多くの事件や事故が明らかになり、テロリストによる使用も懸念されている」とし「多様な価値観を認め合いながら、共に生きる世界を目指し、努力を重ねなければならない」と強く呼びかけた。

 また「今年5月、原爆投下国の現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領は『私自身の国と同様、核を保有する国々は、恐怖の論理から逃れ、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない』と訴えた。あの絶対悪を許さないというヒロシマの思いがオバマ大統領に届いたことの証し」と訴え続けていくことの重要さをアピールした。

 松井知事は各国の為政者に被爆地を訪問するよう改めて要請するとともに「核兵器のない世界を必ず実現するとの決意を表明した安倍首相にはオバマ大統領と共にリーダーシップを発揮することを期待する」と述べた。(編集担当:森高龍二)

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