国内銀行94行の16年3月期の平均年間給与は622万2,000円
2016年8月6日 20:08
東京商工リサーチによると、国内銀行94行の2016年3月期の平均年間給与は622万2,000円(前年比0.2%増)だった。前年を上回ったのは大手行が7行中5行、地方銀行が55行中29行、第二地銀が32行中18行の計52行(構成比55.3%)だった。前年は大手行5行、地方銀行30行、第二地銀21行の56行で第二地銀を中心に4行減少した。
銀行全体では、2007年3月期(653万6,000円)をピークに3年連続で減少したが、2013年3月期以降は4年連続で前年を上回った。
業態別の平均年間給与は、大手行が754万3,000円(前年比3,000円増、同0.04%増)、地方銀行が638万9,000円(同1万5,000円増、同0.2%増)、第二地銀は564万6,000円(同2万5,000円増、同0.4%増)と、全業態で前年を上回った。
大手行との差は地方銀行が115万4,000円(前年116万6,000円)で1万2,000円縮小、第二地銀は189万7,000円(同191万9,000円)で2万2,000円縮小した。ただ、大手行と地方銀行、第二地銀の差は依然として大きく開いている。地銀と第二地銀の差は74万3,000円で、前年(75万3,000円)より1万円縮まった。
従業員の平均年齢年代別の平均年間給与トップは、40歳以上が東京スター銀行(平均年齢40.8歳、821万7,000円)、39歳以上40歳未満が静岡銀行(同39.3歳、766万2,000円)、38歳以上39歳未満が七十七銀行(同38.6歳、745万6,000円)、38歳未満が三井住友銀行(同36.5歳、830万1,000円)だった。年齢の若い層では、大手行と有力地銀が上位に目立つとしている。
平均年間給与の増加額では、池田泉州銀行が28万3,000円増でトップ。次いで、愛媛銀行23万6,000円増、阿波銀行23万2,000円増、七十七銀行21万4,000円増、大東銀行20万7,000円増の順だった。
94行のうち増額は52行(大手行5行、地方銀行29行、第二地銀18行)で、定期昇給や賞与などの増加が平均年間給与を押し上げた。一方、三井住友銀行は49万4,000円減で、最も減少額が大きかった。以下、静岡中央銀行14万5,000円減、北陸銀行12万7,000円減、名古屋銀行11万5,000円減、東京都民銀行11万3,000円減と続く。
2016年3月期末の従業員数は25万757人で、前年より2,546人増えた。大手行が前年比2,291人増(2.1%増)、地方銀行が同8人増(0.01%増)、第二地銀が同247人増(0.7%増)で、大手行の増加が目立った。
業態別の増加は、大手行が6行、地方銀行が28行、第二地銀が18行の計52行だった。大手行は海外業務の拡大や人材確保のため、従業員を積極的に採用したとみられる。一方、国内業務で低金利競争に巻き込まれている地銀、第二地銀は退職者の補充が中心のようだとしている。
2016年3月期の平均年齢は38.9歳。2011年3月期から5年連続で上昇していたが、6年ぶりに前年を下回った。業態別の平均年齢は、大手行が39.0歳(前年比0.1歳低下)、地方銀行38.8歳(同0.04歳低下)と前年を下回り、第二地銀は38.9歳(同0.05歳上昇)と前年をわずかに上回った。大手行は6年ぶりに平均年齢が低下した。積極的な新卒採用などで平均年齢を押し下げたとみられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)