長期金利の上昇を警戒する日銀

2016年8月3日 14:39


*14:40JST 長期金利の上昇を警戒する日銀
 2日の東京市場で10年債利回りは一時0%に接近し、約4カ月半ぶりの水準となった。この日行われた10年国債入札が市場予想を下回る低調な結果となったことが、利回り上昇の主な理由とみられているが、日本銀行は9月の金融政策決定会合で「総括的な検証」を行うことも警戒されていたようだ。

 ただ、黒田日銀総裁は2日、「デフレ脱却に政府と連携して向かうことを再確認した」、「総括的検証は物価目標の早期達成に必要な手段を明らかにする」、「緩和縮小のようなことにはならない」との見解を表明した。金融緩和策の縮小を否定したことで投資家の不安は多少緩和されたもようだ。

 市場参加者の間では、「政府が閣議決定した事業規模28.1兆円の経済対策の効果を最大限に高めるためには、長期金利の低位安定が必要不可欠」との声が聞かれている。長期金利が上昇を続けた場合、株安・円高につながる可能性があることから、目先的なドル・円の取引では長期金利の動向が有力な手がかり材料となりそうだ。《MK》

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