GPIFは市民の意思反映の仕組みを構築すべき―社民・又市征治氏

2016年7月31日 14:40

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年度の運用で約5兆3098億円の損失を出したことについて、社民党の又市征治幹事長は「5年ぶりの赤字で、損失額はリーマン・ショックを受けた2008年度以降最大となった」と指摘。

 又市幹事長は年金積立金の運用にあたり「国債比率を60%から35%に引き下げ、国内外の株式を24%から50%に大幅に引き上げるなど、リスク性資産への投資割合が拡大された結果、2015年7~9月期には四半期として過去最大の7兆8899億円の赤字を計上した。今回は通期として約5.3兆円の損失となったが、その後も続く株安やイギリスのEU離脱ショックなども考えれば、今後も損失が大きく膨らむことはまぬがれない」と提起し、株式運用比率の拡大でなく、安定・確実な運用をするよう強く求めた。

 また「GPIFに被保険者である一般市民の声・意思を反映できるよう、民主的な統制の仕組みを構築すべき」とした。一方、GPIFが保有銘柄情報について公表したことについては「評価する」とした。

 又市幹事長は運用実績公開日について「参院選挙に影響を与えないための損失隠しにほかならない。安倍政権の党利党略の姿勢を指弾するとともに、適時適切な情報開示を強く求める」とした。

 また「安倍首相はGPIF運用損による年金支給額減額の可能性に言及している」とし「株式重視の現在の資産構成に変更しなければ損失は避けられたはず。運用損失の拡大は安倍政権の責任であり、ギャンブルのつけを国民に回すことは断じて認められない」と支給額を減額しなければならないとすれば原因は安倍政権にあり、減額は認められないとした。(編集担当:森高龍二)

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