原発事故の住民避難責任は行政に、廃炉要請に意味―菅直人元首相

2016年7月27日 21:33

 菅直人元総理は原発事故での住民避難責任は自治体にあり、電力会社にはないとして「巨大地震に備えるには原発を止め、燃料棒を原子炉から取り出し、廃炉にしていくことが最良の備えだ」とブログで発信。党知事選で立候補している鳥越俊太郎氏が東京から250キロ圏の原発の停止や廃炉を電力会社に求めるとしていることに賛意を示した。

 菅元総理は「脱原発実現にとって知事の役割は極めて重要」とし「原発立地県の知事が同意しなければ再稼働はできない。鹿児島県知事に当選した三反園さんは熊本地震の影響が心配される川内原発を点検のために停止するよう、近日中に九電に申し入れると表明。新潟の泉田知事も東電福島原発事故の検証が不十分な状態では東電の柏崎刈羽原発の再稼働は議論できないという」と紹介。

 そのうえで「福島原発からの最大の電力供給を受けていた東京の知事が250キロ圏内の原発の廃炉を要請する意味は極めて大きい」とした。

 菅元総理は「東京は原発立地県ではないが、福島原発事故ではあとわずかで全都民の避難が必要となる瀬戸際であった。全都民が何十年も避難することになっていれば、日本は壊滅の危機を迎えていた。住民避難の責任は電力会社にはない。自治体と国の責任だ。都民の安全に責任を持つ都知事が250キロ圏内の原発廃炉を求めるのはもっともなこと。250キロの根拠は裁判所が原発訴訟で原告になる資格を認めた居住地の範囲であること。福島原発事故当時、原子力委員会の近藤委員長が最悪の場合250キロ圏からの避難が必要になると政府に伝えたこと」があるとしている。(編集担当:森高龍二)

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