【第23回香港ファッションウィーク春/夏（3）】マカオに新風を吹き込むデザイナーたち1 ジェーン・チャン「MACON」
2016年7月25日 16:10
マカオの有力デザイナーたちによる「マカオファッションパレード」が「第23回香港ファッションウィーク春/夏」の会期2日目に行われ、6組のブランドがランウェイショーを披露した。マカオといえば、カジノで知られるが、ポルトガル領時代の建築や文化が残り、ほかのアジア諸国とは異なる独自の文化を築く国でもある。若手デザイナーたちは、その伝統や文化様式を生かしつつ、フレッシュな感性でマカオのファッション界に新風を吹き込んでいる。「海外でファッションを学び、それをマカオで生かそうとするデザイナーが多い」（「SARTOR LAB」のヴィクター・チョイ）といい、海外での経験や培った感覚も大きく影響しているようだ。 また、「一緒にイベントやショーをやることが多いから、日頃からとても仲がいい」（「NEGA C. Fashion」のイザベラ・チョイ）という彼らが口を揃えて強調するのが、“インターネットによる販売とプロモーション”。クリエーション力だけでなく、島国としての隔たりをものともせず市場を開拓して行くビジネス感覚も併せ持っている。
ジェーン・チャン「MACON」
ほっこりムードの手描き風猫“milu（迷路）”をアイコンにコレクションを発表したのが、ウィメンズブランド「MACON」。クリエイティブ・ディレクターは、ジェーン・チャン（Jane Chan）。今回のコレクションで初披露したキャラクターは、「マカオのイージーでハッピーなムードを表現しているの。マカオといえば海に囲まれた場所。猫は魚が好きだし、海にも深いつながりがある」とチャン。「自由でのんびりした性格は、私にも似ているかも（笑）」。 北京服装学院（BIFT）で服飾デザインを学び、卒業後はそのまま北京で、KappaやJack & Jones、Peakなどの大手メーカーでデザイナーとして勤務。様々な国のユニフォームデザインも経験した。実績を積み、自身のブランドを始めたいとマカオに戻ったのが2013年。メンズブランド「BOMDIA」立ち上げを経て、マカオの富順ガーメント（Fu Son Garment）のもと、新ブランドをスタートさせた。「MACON」は、アジア最大級のオンラインモール「Tmall.com」に、マカオのファッションブランドとして初めて参加。広州や上海をはじめとする中国の主要都市での販売やポップショップ出店など順調に販路を拡大している。 ブランド名は、“マカオ”と“コットン”を合わせた造語。マカオのエッセンスを取り入れてきたコレクションは、「明るいカラーリングやリラックスしたシルエット、そして着心地のよさを大切にしている」（チャン）と話す。今後は、miluを通じて、“MACAO”と“MACON”を世界中の人に広めていくのが夢。「今は、WeChat（中国発のメッセンジャーアプリ）などのSNSがある。miluを通じて、エンドユーザーとの関係をもっと深めていきたい。例えるなら、日本のくまモンのような存在ね」
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