【第23回香港ファッションウィーク春/夏(3)】マカオに新風を吹き込むデザイナーたち2 イザベラ・チョイ「NEGA C. Fashion」
2016年7月25日 16:10
マカオの有力デザイナーたちによる「マカオファッションパレード」が「第23回香港ファッションウィーク春/夏」の会期2日目に行われ、6組のブランドがランウェイショーを披露した。マカオといえば、カジノで知られるが、ポルトガル領時代の建築や文化が残り、ほかのアジア諸国とは異なる独自の文化を築く国でもある。若手デザイナーたちは、その伝統や文化様式を生かしつつ、フレッシュな感性でマカオのファッション界に新風を吹き込んでいる。「海外でファッションを学び、それをマカオで生かそうとするデザイナーが多い」(「SARTOR LAB」のヴィクター・チョイ)といい、海外での経験や培った感覚も大きく影響しているようだ。 また、「一緒にイベントやショーをやることが多いから、日頃からとても仲がいい」(「NEGA C. Fashion」のイザベラ・チョイ)という彼らが口を揃えて強調するのが、“インターネットによる販売とプロモーション”。クリエーション力だけでなく、島国としての隔たりをものともせず市場を開拓して行くビジネス感覚も併せ持っている。
イザベラ・チョイ「NEGA C. Fashion」
「NEGA C. Fashion」デザイナーのイザベラ・チョイ(Isabella Choi)も、海外でファッションデザインを学んだ1人。幼い頃からファッションが大好きだったというチョイは、15歳で単身渡英。英国キングストン大学を卒業した3年後の2011年、マカオで「NEGA C. Fashion」 を立ち上げた。舞台向けのコスチュームやシューズをデザインしていたが、翌年、マカオにブティックを開くと同時に、既製服のウィメンズブランドとして本格スタートした。 キュートなディテールとストリートやロックのテイストが共存しているのが、同ブランドの魅力。「カラフルな色使い、カッティングの面白さもこだわっている。エキサイティングだけどエレガントな面もあったりと、さまざまな要素をミックスさせるのも特徴」(チョイ)。最近は、コスチュームデザインにも再び力を入れており、舞台演劇のための衣装提供も行うほか、歌手やTV司会者のための衣装デザインも行っているという。 マカオのみならず、ここ香港や台北など海外で行われるイベントや見本市にも参加するなど、精力的に活動を続けるチョイ。「インターネットでの販売やプロモーションを通して、さらにマーケットを広げて行きたい。日本にももちろん興味はある」という。