心の相談もウェブで完結 専門家が回答するサービス「Reme」が本格始動

2016年7月20日 07:54

 メンタルヘルスウェブサイト「Reme(リミー)」は約半年間に渡るテスト期間を経て本格始動の準備に入った。同サービスではウェブサイトを通じて、心の悩みや疾患での対処法を臨床心理士などの専門家に相談できる。今回、サービスの本格始動に伴ってサイトのリニューアルを行った。その際資金をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて募り、目標金額を上回る支援を達成するなど、同サービスへのニーズの高さが証明された。

 メンタルヘルスケアに関しては厚生労働省でも推進されていることもあり、世の中の関心が高まっている。メンタルヘルスケアの教育研修や職場環境の把握と改善などのメンタルヘルス対策に取り組む企業は増加傾向にあり、2002年時点で23.5%だったものがその後10年で倍増している(12年時点で47.2%)。さらに厚生労働省は今年度の目標を全企業の80%と設定している。昨年12月に改正労働衛生法によって企業でのストレスチェック制度が義務化され、労働者は自分のメンタルヘルスの状況を可視化できるようになった。産業医等の専門家を雇っている企業もあるが、多くの中小企業ではストレスチェックの結果を受けて労働者側の希望があれば、外部のメンタルヘルス相談機関を紹介することになる。上司への相談や心療内科に足を運ぶことが億劫な人向けの、ウェブサイトを通じて気軽に心の相談ができるサービスには一定数の需要があると見込まれる。

 メンタルヘルスケア推進の流れを受けて現状ではメンタルヘルスサービスが乱立しているが、多くは法人向けのEAPサービスとなっている。NECソリューションイノベータの「メンタルヘルスケアサービス」、アドバンテッジリスクマネジメントの「アドバンテッジ タフネス」、ウェルリンクの「メンタルヘルス・プログラム」、保健同人社の「相談・カウンセリングサービス」などストレスチェックテストの実施や従業員データの活用、メンタルヘルス知識のeラーニングのほか、産業医へのメールや電話での相談が可能なサービスも多く見られる。一方で個人向けにストレスチェックや心の相談をウェブで行えるサービスはこれまであまりなく、「Reme」のようなモデルは興味深い。ワンコインで心の相談ができるサービスやメンタルセルフチェックサービスについては今夏中のリリース予定とのことで今後の動向にも注目したい。(編集担当:久保田雄城)

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