無人の「自動運転バス」日本初導入へ

2016年7月19日 08:31

 DeNA<2432>は、フランスのEasyMile社と業務提携し、「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」の運用を開始すると発表した。ロボットシャトルは、EasyMile社が開発した自動運転車両「EZ10」を利用した交通システムで、まずは8月からイオンモール<8905>幕張新都心店にて、来店者向けに移動サービスを提供するという。

 ロボットシャトルは着席6名、立ち乗り6名の最大12名が乗車できる電気自動車で、運転席はない。カメラや各種センサー、GPSを使って、あらかじめ設定したルート上を自動で走行する。車両付近やルート上に障害物を検知すると、障害物との距離に応じて自動的に減速・停車して回避できるという。

 車両サイズは全長3,928mm、重量は1,700kg。最大速度は40km/hで、最大10時間駆動可能だ。管制室と通話できるインターカムや、エアコン、可動式スロープも備えている。

 国内では公道での無人運転が認められていないのが現状で、イオンモール幕張新都心店を皮切りに、各種公共施設や商業施設、テーマパーク、工場内などでの運用を計画している。

 海外でも自動運転バスの導入が相次ぎ、スイスでは公共交通機関としては世界初の自動運転バス「SmartShuttle」のテスト運行が6月23日に始まった。フランスのNAVYAが開発した「ARMA」というモデルで、最大収容人数は15名、最高速度は45km/h。電気で動き、自動走行車として最高のレベル5に達しているという。

 アメリカでは、ワシントンD.C.に自動運転バス「Olli」が登場。3Dプリント自動車を作ったことで話題になったアメリカのLocal Motorsが開発し、IBMが開発した人工知能「Watson」を搭載している。3Dプリントで製造したパーツが車体の25%を占め、別の25%のパーツは3Dプリントで作った鋳型を利用して製造した。今後は、年内にもアメリカ国内で利用地域を拡大する予定とのこと。

 2月にGoogle、5月にはテスラモーターズの自動運転車が事故を起こし、「安全責任は誰にあるのか」が焦点となったが、この度DeNAが発表した無人バスの安全責任について同社の執行役員である中島宏氏は、「一義的にはDeNAが責任を取る形になると思う」と述べている。ヨーロッパでは“遠隔操作で運行を管理する者がいれば、その管理者がドライバーとなる”という定義づくりが進んでいるが、日本も法整備を急ぐ必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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