16年1Qの国内モバイルデバイス出荷台数は前年同期比7.5%減の1,202万台に
2016年7月12日 11:11
IT専門調査会社 IDC Japanは、国内モバイルデバイス市場(スマートフォン市場、タブレット市場、PC市場、通信カードなどのData Communicationを含む)の2016年第1四半期(1月~3月)の出荷台数実績および2016年~2020年の予測を発表した。
2016年第1四半期の国内モバイルデバイス出荷台数は、前年同期比7.5%減の1,202万台となった。スマートフォン市場は、国内通信事業者がAndroid端末の在庫調整を実施したことから、前年同期比6.2%減のマイナス成長となった。タブレットは昨年のビジネス市場での大型案件の反動が大きく影響し、前年同期比6.2%のマイナス成長となった。またPCは、2014年第3四半期(7月~9月)から2桁のマイナス成長が続いてきたが、2016年第1四半期では8.1%減と1桁のマイナス成長にとどまり、マイナス成長の底打ちが見えてきたという。このように国内モバイルデバイス市場は、2015年第4四半期(10月~12月)に引き続き、2期連続で各製品がマイナス成長となった。
2016年の国内モバイルデバイス市場は、前年比4.6%減の4,571万台と予測している。2015年のPC市場は、同市場の約6割を占めるビジネス市場でのPC買い替えサイクルの長期化や在庫調整によって出荷台数は大きく減少してきていた。2016年は、在庫調整が2016年10月のWindows 7搭載モデルの最終出荷に向けて進むことが予測され、昨年とほぼ同等の出荷が見込まれる。
一方、家庭市場ではPCの購買を促進する要素は少なく、ITサプライヤーの生産/出荷調整が続くと考えられるという。これらによって2016年のPC市場は1桁のマイナス成長にとどまるとみている。タブレット市場は、ビジネス市場での導入が進むことが予測される。
しかし、家庭市場ではWi-Fiモデルを中心にキラーアプリケーション不在の状況が続き、大型スマートフォンとの競合により、タブレット市場全体としては2016年通年で前年比マイナス成長になると予測している。スマートフォン市場は、通信事業者によるキャンペーンが抑制されることによって、家庭市場を中心にマイナス成長が予測される。これらから2016年の国内モバイルデバイス市場の家庭市場向け出荷は前年比6.5%減の3,509万台、ビジネス市場向け出荷は2.0%増の1,062万台と予測している。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「国内モバイルデバイスビジネス市場の中心はPCである。PCビジネス市場は、2016年10月のWindows 7搭載モデルの最終出荷に向け買替えが進むことが予測される。タブレット市場やスマートフォン市場は、特定業種での需要が出荷をけん引すると予測される。しかし家庭市場向けの出荷は、各機器の需要の一巡や買い替えを行う理由が見出しにくい状態が続くと予測される。2016年の国内モバイルデバイス市場は、家庭市場の失速によってマイナス成長になる」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)