ブラザー工業、小型の燃料電池システムを開発

2016年7月8日 16:07

 ブラザー工業は8日、産業用領域の新規事業として燃料電池システムを開発したと発表した。リチウムイオン電池を使用した同じ給電量の非常用電源に比べ、体積が1/6、重さが1/4と小型・軽量化していることが特徴という。

 同社によると、今回の燃料電池システムは、エンジンを水で冷却する水冷方式を採用しており、長時間の連続稼働でも電圧が下がらず、安定的に給電することができる。発電したまま燃料ケースを交換することができ、72時間以上の連続運転が可能という。

 水素吸蔵合金という特殊な金属に水素を貯蔵しており、燃料が劣化しないため、長期保管ができる。火器を使用しないため消防法上の設置制約がなく、都市型の非常用電源として活用できる。また、オプションのモジュールを設置することで、ネットワークを介して遠隔でメンテナンス・監視を行うことができる。

 定格出力電圧はDC12〜21V、最大負荷容量は880W、運転寿命は累積20,000時間。本体サイズは、発電ユニットが幅53x奥行56x高さ66cm、燃料ユニットが幅51x奥行42x高さ67cm。重量は、発電ユニットが78kg、燃料ユニットが41kg(筐体のみ)、燃料ケースが22kg。

 同社は今回の燃料電池システムを「第10回 オフィス防災EXPO」に参考出品する。会場では、現在サンプル販売を行っている「BFC2-W700MH」のほか、高出力モデル「BFC-X」、より小型でオフィス内に設置できる「BCP対策コンセプトモデル」を展示する予定。

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