第23回香港ファッション・ウィーク春/夏が開幕 18カ国・地域から1,200社が参加
2016年7月5日 10:10
【4日・香港】アジア最大級のファッション見本市「香港ファッション・ウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)が2016年7月4日、香港コンベンション&エキシビションセンターで開幕した。18カ国・地域から約1,200の出展者が参加し展示商談会を行うほか、出展者やデザイナーによるフロアショー、トレンドセミナー、最新技術紹介など、来春夏の最新動向を伝える20以上のイベントが行われる。7日まで開催。
23回目を迎える今回のテーマは、“ガーデンブリーズ(Garden Breeze)”。会場には、花や植物をモチーフにしたカラフルな装飾が施され、アパレルからアクセサリー、ファッション雑貨、テキスタイル、最新技術、情報サービスなど、ファッションにまつわるあらゆるカテゴリーが出揃った。今回は、需要の高まる「ファッション・テック」「フットウエア&レギンス&ソックス」「ニットウエア」「ウィメンズ・ウエア」の4つのゾーンを新設。ファッション製品に関する最新技術を紹介する「ファッション・テック」ゾーンでは、エプソン香港が昇華転写プリンター「SureColor」や、インクジェットデジタル捺染プリンター「SurePress」などを紹介。2013年からこの技術を使用し、ポリエステルやシルク、コットンなど様々なテキスタイルにデジタルプリントを採用している山本寛斎氏の作品を併せて展示し、来場者の目をひいていた。
初参加国は、バングラデシュ、イタリア、フィリピン、オランダの4カ国。中国をはじめ、日本、インド、タイ、マカオの5カ国がグループパブリオンとして出展。韓国勢も、韓国ファッションアソシエーションがとりまとめたブースを出し、訴求を強めた。インドのパビリオンには、在香港インド総領事館のKARUN BANSAL領事が来場。見本市開幕を祝うテープカットを行うとともに、会場内を視察した。
日本からは8社が参加した。中小企業の産業支援を行う国際ファッションセンターが取りまとめた展示ブースには、バッグブランド「Palaina L.O」(稲垣巳奈デザイナー)が初参加するほか、アクセサリーの「Mille blanc」(田林香織デザイナー)と「TOIRO-FIRANDO/SHANENA」(小値賀友理デザイナー)は3回目の出展。クローバーリーフ、ブルーブラウン、ナップファーム、ストップオーバーもブースを構えた。
大阪文化服装学院からは、三木英加さんによるウィメンズブランド「Miki Eika」が参加。三木さんは、ブランド運営をビジネスの場で実践的に学ぶ特別学科・スーパーデザイナー学科(3年)に在籍しており、今回の出展で、海外市場へのプロモーションや香港の市場調査を行うという。
同見本市でも、クリエーターらの才能発掘・支援に力を入れており、初日にはオーストラリアやタイ出身デザイナーによるランウェイショーや、インティメートアパレルを学ぶ香港理工大学の学生らによるランジェリーウエアショーも実施。2日目には、マカオのデザイナーらによるショーも行う。
来場者数は1万6,000人を見込む。45カ国・地域から5,100人以上の海外バイヤーを誘致しており、中国や日本、タイ、韓国、インド、オーストラリア、スペインなどから大手のファッションブランドや小売業の担当者が会場を訪れる予定だ。日本の出展者からも、「初日からブースには絶え間なく来場者が訪れてくれた」と出展に手応えを感じる声も聞かれた。開幕半日ですでにいくつかの契約にこぎつけたという韓国のレディスブランド「illuillu」(TEAMJR社)は、「米国とともにアジアに販路を広げたい」とコメント。日本の見本市にも参加経験があるタイのフィットネスウエア「WAKINGBEE」(タイ)は、「アジアはもちろん、さまざまな国のバイヤーと出会える機会」と話すなど、同見本市のメリットに期待する声が多く聞かれた。
(アパレルウェブ編集部・戸)
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