きれいに使いたいニーズにこたえる泡で洗うスマートフォン
2016年7月2日 23:14
京セラ<6871>はハンドソープの泡で洗うことができるスマートフォン「DIGNO L」をUQコミュニケーションズむけに製造することを発表した。昨年12月に、世界初のハンドソープの泡で洗えるスマートフォンとしてau<9433>などから販売開始した「DIGNO rafre」に続く製品となる。
スマートフォンは広く普及して、多くの人にとって日常の一部ともいえる欠かせない存在になった。そして毎日持ち歩いて、使用時には手に持ち、頻繁に指で触れる製品だ。京セラは市場調査により、スマートフォンをいつもきれいな状態で使用したいというニーズが、男女を問わず広くあることを知り、泡で洗える製品の開発にふみきったという。
界面活性剤を含むハンドソープは水と異なる表面張力をもっている。その為、泡や水の浸入を防ぐには、従来の防水仕様を上回る気密性が求められる。京セラでは、コネクタなどのキャップ部分に注目して、別部品のOリングを取り付けていたものを、一体成型でキャップにとりつける仕様に変更して気密性向上に成功した。
防水機能が付いた電気製品は、携帯電話、カメラ、ラジオ、スピーカーなどすでに周囲に多くみかける。防水機能の次は、洗えるという付加価値が広まっていくのだろうか。DIGNO Lをみると、その前に信頼性やロバスト性について、技術的にまだ改善の余地がある様に思える。
京セラのホームページ内の製品紹介では、DIGNO Lの洗い方について多くの注意点も記されている。ハンドソープをしっかり泡立ててから使う、複数のハンドソープを混ぜない、弱めの流水で洗う、故障の現認になるので泡は残さずにすすぐ、などだ。洗浄後の水抜きも欠かせない。
また、「本製品の有する性能は試験環境下での確認であり、すべてのハンドソープで洗えることを保証するものではありません。また、無故障を保証するものではありません。」との但し書きもあり、万が一の悪条件を想定したものだろうが、少し不安を感じる。
今後、気を使わずにゴシゴシと好きな洗浄剤で汚れを落として、軽く水気を拭けばすぐに使える頑丈な製品へと更に進化を続けてくれると面白い。(編集担当:久保田雄城)