防衛省が自衛隊入隊が前提の奨学金を検討―共産機関紙

2016年7月2日 15:36

 日本共産党の機関紙が自衛官の応募者数が減少傾向にあることから、防衛省が米軍制度を参考に「自衛隊入隊を前提にした奨学金などが目玉の新たな募集制度を検討していることが情報公開請求で入手した内部文書で分かった」と2日付けで報じた。

 大学、大学院など「高額費用に苦しむ学生を狙い撃ちにする『経済的徴兵制』といえるもの」と防衛省が自衛隊への入隊を前提にした奨学金制度を検討していることに問題を提起している。

 検討しているとした根拠の内部文書について報じるところによると「国防を担う優秀な人材を確保するための検討委員会(委員長・防衛政務官)の内部文書(2013年6月)で『学生時代からの入隊希望者の取り込み』を図るため『新たな募集種目』をつくり『日本版ROTCの検討』を進める」としているとした。大学など卒業後、一定期間、自衛官として勤務すれば学費など貸与したものの返還を免除するもの。

 経済的徴兵制については毎日新聞が昨年7月27日の紙面で「防衛大学校では集団的自衛権の行使をめぐって憲法解釈が変更された昨年度、任官拒否者が前年度の10人から、25人に急増した」と「経済的徴兵制への懸念」との特集記事を掲載した。

 「経済的な事情から貧困層の若者が自衛官の道を選ばざるを得ない、経済的徴兵制への懸念が語られ始めている」という署名記事だった。昨年3月末現在の自衛隊員は統合幕僚監部などの自衛官も含め、定員24万7160人に対し、実数22万6742人。充足率91.7%になっている。(編集担当:森高龍二)

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