5月の貿易収支、407億円の赤字―輸出低迷で4カ月ぶり赤字
2016年6月20日 12:26
財務省が20日発表した5月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は407億円の赤字となった。赤字は4カ月ぶり。4月の貿易収支は8,231億円の黒字だった。輸入額は原油安で低水準が続いているが、輸出額も2013年1月以来の低水準となったことで赤字となった。
貿易収支のうち、輸出額は前年比11.3%減の5兆910億円だった。減少は8カ月連続。全体への影響が大きかった品目として、鉄鋼が同24.1%減、半導体等電子部品が同20%減、有機化合物が同24.5%減だった。
輸入額は、同13.8%減の5兆1,317億円だった。減少は1年5カ月連続。原油安で、原粗油が同30.6%減、液化天然ガスが同41.9%減、石油製品が同51.5%減と、大幅に減少した。
地域別では、米国との貿易収支は同14.4%減の3,456億円の黒字で、黒字幅は2カ月連続で減少した。輸出は同10.7%減の9,699億円で、原動機、鉄鋼、自動車の部分品などが減少した。輸入は同8.5%減の6,242億円で、石油製品、穀物類、航空機類などが減少した。
EUとの貿易収支は736億円の赤字で、3カ月ぶりの赤字となった。輸出は同4.0%減の5,778億円で、自動車の部分品、自動車などが増加し、電算機類の部分品、船舶、有機化合物などが減少した。輸入は同1.5%減の6,514億円で、航空機類、自動車などが増加し、医薬品、重電機器、石油製品などが減少した。
アジアとの貿易収支は、2,159億円の黒字で、4カ月連続の黒字となった。黒字幅は同33.9%減少した。このうち、中国との収支は4,011億円の赤字となった。赤字は4年3カ月連続。赤字幅は同4.4%増加した。中国への輸出は同14.9%減の9,019億円で、科学光学機器、有機化合物、半導体等電子部品などが減少した。輸入は同9.7%減の1兆3,030億円で、通信機、電算機類(周辺機器を含む)、衣類・付属品などが減少した。