今年の夏は猛暑?「窓」から快適な夏を考えよう
2016年6月18日 19:37
各地で梅雨入りが発表されている中、この時期になるととくに気になるのが、今年の夏は「猛暑」か「冷夏」かということではないだろうか。気象庁の発表による最新の3か月予報によると、6~8月の気温は、西日本と沖縄・奄美で高く、北・東日本で平年並みか高くなる見込みだ。また、温度だけでなく湿気も高い夏になりそうだ。さらに、6~8月の降水量は前線や南からの暖かく湿った気流の影響もあり、北・東・西日本で平年並みか多くなる見通しだという。
そんな中、住宅業界では断熱設備に注目が集まっている。断熱といえば冬のイメージが強いが、冬場はもちろん、夏を涼しく過ごす観点からも、壁や屋根の断熱は重要になる。夏の強い日差しが当たった壁は高温になり、輻射熱として、室内側でも壁が熱を帯びてしまう。猛暑を快適に乗り切るためには、断熱をどのように行うかがカギとなるわけだ。
窓の直射日光も室内温度に大きく影響するのは言うまでもないだろう。
YKK AP株式会社の計算結果によると、夏に屋外から入ってくる熱の74%は窓からで、住まいの中でもっとも熱の出入りが多い場所だという。 その為、同社をはじめ、旭硝子<5201>やLIXIL<5938>などでも遮熱性のLow-Eガラスを奨めている。さらに、木製3層ガラスや断熱サッシにすることで、その断熱性能は大幅に改善できる。
また、住友理工<5191>が開発した、熱線を反射させる窓用高透明遮熱・断熱フィルム「リフレシャイン」も、ここ数年で急速に注目されている技術だ。リフレシャインは、ナノ技術を活用した特殊フィルムを窓ガラスの内側に貼り付けるだけで省エネ対策につながる手軽さと、これまでの一般的な遮熱・断熱フィルムでは実現できなかった透明性が最大の特長だ。また、一般家庭はもとより、オフィスやショールーム、パブリックスペースにも、場所や用途に左右されず、工事不要で導入できる。住友理工の試算によると、リフレシャインを貼ることによって、冷房・暖房の電力使用量を20%~30%低減することが可能だという。
もちろん、日本古来のすだれやカーテンやブラインドで遮光するだけでも、夏場の室内温度は大きく違ってくる。株式会社サカタのタネでも、ゴーヤやアサガオなどを栽培する緑のカーテンを推奨している。梅雨が明けてしまう前に、節電のためにも健康のためにも、できるだけエアコンに頼らずに過ごせる方法を考えておきたいものだ。(編集担当:藤原伊織)