鹿島が環境配慮と耐久性を併せ持つコンクリート「エコクリートRBLS」を開発
2016年6月14日 08:06
鹿島<1812>は強度と経済性を併せ持ちながら、製造時のCO2発生量を抑えた環境配慮型コンクリート「エコクリートRBLS」を開発した。コンクリートは建築材としていたるところで使用されているが、材料に含まれるセメントを製造する際には1tあたりで750kgのCO2が発生する。その為環境対策の一貫として、CO2排出量を抑えて製造できる低炭素セメントを用いたコンクリートが求められており、業界各社で研究が進められている。
現在流通している主な低炭素セメントとして、高炉セメントB種があるが、耐久性がやや低く、また乾燥収縮によるひび割れができやすいという特徴から、建築材として使用できるところが建物の地下などに限定されてしまっていた。また、一般に低炭素コンクリートはコストが高いというデメリットを持っていた。エコクリートRBLSは、これらの課題を解消した、採用しやすい環境配慮型コンクリートである。
エコクリートRBLSは、一般的なコンクリートと比較すると、製造時のCO2排出量が約25%低減されている。これは、一般的な主原料であるポルトランドセメントの一部を、高炉スラグ微粉末という、銑鉄製造の副産物と新しいカルシウム系混和材に置き換えることにより実現された。同時に、ひび割れ抵抗性と耐久性も十分に兼ね揃えているので、適用場所を限定せずに使用することができる。加えて、一般的なコンクリートと同程度のコストレベルが実現されているので、さらに抵抗なく従来のコンクリートと置き換えた利用ができるだろう。
鹿島では、2050年を見据えて、CO2削減、廃棄を削減した資源循環、生態系への影響を抑えた自然共生に取り組む「トリプルZero2050」(Zero Carbon Zero Waste Zero Impact)という環境ビジョンを掲げている。3年毎に目標設定とふり返りを行い、企業が関わる様々な分野での改善に取り組む。CO2生成を抑えたコンクリートの開発や適用も、この流れに沿うものである。エコクリートRBLSはすでに都内に向けて生コンクリート工場からの出荷体制が整備されているが、今後も更なる普及を目指すという。(編集担当:久保田雄城)