15年に最も特許が引用されたハウスメーカーはミサワホームの234件

2016年6月13日 10:13

 パテント・リザルトは、独自に分類したハウスメーカーを対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ハウスメーカー 他社牽制力ランキング2015」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるという。

 集計の結果、2015年に最も引用された企業は、ミサワホームの234件、次いで積水ハウスの219件、大和ハウス工業の141件となった。

 1位ミサワホームの最も引用された特許は、トヨタホームとの共同保有特許である「住宅用電力システム」(特許第5539750号)および、大崎電気工業、ミサワホーム、平野デザイン設計との共同出願特許である「家全体の電気エネルギーの使用状況を確実に把握するための計測システム」(特願平11-274247)で、それぞれが後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、前者はパナソニックIPマネジメントの2件のほか、KDDI、東芝の各1件、後者はパナソニックIPマネジメント、PCの周辺機器を主に手掛けているBelkin International(米)の各2件となっている。

 2015年に、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックIPマネジメントの20件で、積水化学工業の19件、旭化成ホームズの14件と続いている。

 2位積水ハウスの最も引用された特許のうち、現在も特許権が維持されているものは、「建物の天井構造」(特許第5104764号)および、藤本工業との共同保有特許である「仮設トイレの囲い」に関する特許(特許第3731089号)、「床材として利用可能なスラブパネル」(特許第4517950号)、住友理工との共同保有特許である「建物の制震構造」(特許第4355673号)の計4件で、それぞれが後発の特許2件の審査過程で拒絶理由として引用されている。

 2015年に、積水ハウスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はミサワホームの22件で、旭化成ホームズの15件、トヨタホームの10件と続いている。

 3位大和ハウス工業の最も引用された特許は、三菱重工業との共同出願である「折版屋根への太陽電池モジュールの取付け構造」(特願2001-295517)で、後発の特許3件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には三菱電機の2件、元旦ビューティ工業の1件となっている。このほかには「発電システムと電力貯蔵システムを利用したエネルギーマネジメントシステム」(特許第5782233号)や黒沢建設との共同保有特許である「防災機能と自治機能とを備えた集合住宅街区システム」(特許第4871418号)などが引用件数の多い特許として挙げられる。

 2015年に、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はミサワホームの11件で、積水化学工業、三菱電機の各6件と続いている。(編集担当:慶尾六郎)

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