日米の注目経済指標:米追加利上げは今回も見送りの公算

2016年6月11日 15:20


*15:22JST 日米の注目経済指標:米追加利上げは今回も見送りの公算
6月13日-17日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

■14日(火)午後9時30分発表予定
○(米)5月小売売上高-予想は前月比+0.3%
参考となる4月実績は前月比+1.3%で市場予想の同比+0.8%を大幅に上回った。3月に減少した反動増との見方もあるが、雇用・所得の改善を示唆する内容となった。5月については4月に大幅増となった反動で伸び悩む可能性があるが、食料品店やオンライン販売は順調とみられており、市場予想は妥当な水準か。

■15日(水)日本時間16日午前3時結果判明
○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の据え置き
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は6日に講演を行い、「経済の見通しに新たな疑問が生じた」と指摘した。14-15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げは見送りとなる見込み。7月追加利上げの可能性は残るものの、過半数の市場関係者は追加利上げ時期は9月以降になると想定している。5月米失業率は4.7%に低下したが、平均時間給と不完全雇用率は4月実績と同水準であり、現時点でインフレ加速を示唆する兆候は表れていない。

■16日(木)決定会合の終了予定時刻は未定
○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持
前回(4月27-28日開催分)の「金融政策決定会合における主な意見」によると、金融政策運営に関して「マイナス金利付き量的・質的金融緩和の効果は、実体経済や物価面にも着実に波及していく」との見解が表明されていた。一方で「マイナス金利政策効果の浸透度合いを見極めていくべき」との慎重な意見もあった。原油価格の上昇や1-3月期国内総生産は上方修正されていることを考慮すると、追加緩和策をただちに講じる必要はなく、政策効果の浸透度合いを見極めていくことが適当であるとみられる。

■16日(木)午後9時30分発表予定
○(米)5月消費者物価コア指数-予想は前年比+2.2%
参考となる4月実績は前月比+0.2%、前年比+2.1%だった。家賃や医療費、自動車保険料、航空運賃の上昇が押し上げた。5月については、衣料品の価格低下が予想されるが、家賃や医療費の上昇は続くとみられており、その他のサービス項目の一部も上昇が予想されていることから、コアインフレ率は4月実績と同水準かやや上回る見込み。

その他の主な経済指標の発表予定は、14日(火):(米)4月企業在庫、15日(水):(米)5月生産者物価指数、(米)5月鉱工業生産、(米)5月設備稼働率、(米)4月ネット長期TICフロー、16日(木):(米)1-3月期経常収支、17日(金):(米)5月住宅着工件数・住宅建設許可件数。《FA》

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