たばこのパッケージに画像付き警告表示 7割が賛成

2016年6月7日 13:31

 国立がん研究センター発表の「たばこのパッケージに関する意識調査の結果」によると、7割の人が警告表示の面積拡大や画像付きで警告することに賛成している。警告表示の面積拡大については、喫煙者の47%、全体の72%が賛成。画像付きの警告表示についても喫煙者の46%、全体の70%が賛成で、反対は喫煙者でも20%に止まった。

 アメリカでは、2012年9月からたばこに関する法律が改正され、パッケージへの警告文と画像の表示が義務付けられている。カナダは英語圏とフランス語圏の地域が存在するため、英語とフランス語の2か国語の警告文を表示する必要があり、1995年以前まではたばこ会社の宣伝を禁止するなど、たばこの規制に積極的だ。

 ブラジルも各国に先駆けて早い段階から警告の表示を行い、テレビCMでは商品の宣伝だけでなく喫煙のリスクを大々的にアピール。上記の3か国とも、喫煙者でなくても目をそらしたくなるような過激なパッケージが採用されている。

 また、欧州連合加盟国(EU)では、たばこのパッケージ前面の30%、背面の40%を警告が占め、国によってはそれ以上の面積を割いている。画像を活用した警告表示は決して珍しいものではなく、先進国を中心に77か国が採用しているが、日本はパッケージ面積の30%以上を使って警告文を表示するだけに止まっている。

 一方、15年6月の厚生労働省がん対策推進協議会で取りまとめられた「がん対策推進基本計画中間報告書」では、「がんによる死亡者の減少」の数値目標の達成(75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少)が困難であり、大きな要因として喫煙率が指摘された。がん対策推進を図る上で喫煙率の減少は急務である。

 日本の禁煙率は、14年のデータによると、男性32.2%、女性8.5%。男性は10年以降の減少が緩やかで、女性は50代で増加傾向にある。全体的に“下げ止まり”の中、画像付き警告表示で大きな変化がみられるだろうか。健康を害する存在と理解しながらもたばこを嗜む人がほとんどだが、たばこを購入するたびに画像の中にある現実を目の当たりにすることで、禁煙を決心する人が増えるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)

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