中国:クレジットカード半数が“ゾンビ”状態、発行銀行の負担増大
2016年5月26日 09:59
*09:59JST 中国:クレジットカード半数が“ゾンビ”状態、発行銀行の負担増大
中国では毎年数多くのクレジットカードが発行されているが、その約半数がほとんど使われない“ゾンビ”状態になっているという。カード市場はすでに飽和し、新たに市場が急拡大する要素も見当たらないなか、こうした“ゾンビカード”の存在は発行銀行の大きな負担となっている。証券日報が24日付で伝えた。
中国人も財布の中に複数のクレジットカードを持つ時代となったが、それらの全てが頻繁に使われているとは限らず、一部のカードは「年会費無料」にするために年に数回使う程度、というケースも多い。ある銀行では、これまでに約7000万枚のクレジットカードを発行したが、このうち約半数が日常的に使われていないものだった。
また、実際のカード利用額は利用限度額を大幅に下回り、大部分の銀行で限度額の50%を割り込んでいる。ある女性は「限度額まで使うのは海外旅行をする時ぐらいだ」と話す。インターネットショッピングをする場合にもクレジットカードを使う機会は少なく、通販業者の京東商城による消費者金融サービス「京東白条」などを使った決済が増えた。女性は「京東白条を使うとネットショップで値引きされるが、クレジットカードでは消費者に有利なことがないから」と説明した。
クレジットカードの発行規模も縮小している。中国人民銀行(中央銀行)によると、国内で発行されているクレジットカードとクレジット機能付きデビットカードの数は4億3200万枚と、14年末に比べて5.05%減った。15年の増加率は、14年に比べて21.5ポイントも落ち込んだ計算になる。
【亜州IR】《ZN》