職場での熱中症死は建設と警備で6割。厚労省重点対策へ
2016年5月25日 17:04
昨年の熱中症による職場での死亡者が29人で前年の2倍以上に上っていたことが、厚生労働省のまとめで分かった。厚労省では、今年の熱中症予防対策として、死亡災害が多く発生している建設業と屋外で作業する警備業を重点業種とした取り組みを行うとしている。
まとめによると、昨年の熱中症による死傷者(死亡と4日以上の休業)は464人と前年(14年)より41人多く、うち死亡者は29人で前年より17人増加した。死亡者を業種別にみると、建設業が最も多く11人、次いで警備業で7人が死亡しており、この2業種で全体の約6割を占めている。
死亡した29人の状況をみると、WBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかった(28人)、 計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(26人)、自覚症状の有無にかかわらない定期的な水分・塩分の摂取を行っていなかった(17人)、健康診断を行っていなかった(13人) など、基本的な対策が取られていなかったことが浮き彫りになった。
厚労省では、「今年の夏は、特に西日本で気温が平年並みか高くなることが見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念される。予防対策については建設業と警備業を重点業種として実施していく」としている。