【中国の視点】スペイン再選挙:ラホイ首相続投なら急速な財政悪化招く恐れも

2016年5月20日 08:32


*08:32JST 【中国の視点】スペイン再選挙:ラホイ首相続投なら急速な財政悪化招く恐れも
スペインの再選挙は6月26日に行われる予定だ。マリアーノ・ラホイ・ブレイ首相は国民向けの演説の中で、6月の選挙結果で自身が勝利した場合、大規模な減税政策を実施すると約束した。

ラホイ首相の発言で一部の国民から熱烈な支持を受けており、同首相が続投なら同国の財政状況が一段と悪化し、欧州連合(EU)との対立が一段と深まる恐れがあると警告されている。

スペインの債務残高は1兆950億ユーロ(約135兆円)となり、毎年の支払利息は380億ポンド(約6兆1237億円)となる。スペイン国民1人当たりの負債残高は1万7000ポンドになると試算されている。

中国の専門家は、ラホイ首相の発言が票を獲得するための手段だと指摘。ラホイ首相が続投で減税政策が約束通り実施されるなら、スペインが再び債務危機に陥る恐れがあると警告した。

また、スペイン国内でもラホイ首相の減税計画が災難をもたらすと批判する声が高まっている。国内の政治家は、ラホイ政権が打ち出した減税政策が国民に歓迎されると発言。ただ、これがスペインの財政状況を一段と悪化させるとの懸念を示している。

なお、EU加盟国は自国の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内に押さえるという規定がある。これを守れない国について、GDPの0.2%に相当する罰金が課せられる。ただ、スペインのGDPに対する財政赤字の比率はすでに5%に達しており、現時点ではまだ処罰されていない。《ZN》

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