消費税 来年4月10%実施の有無、判断先送り
2016年5月19日 10:46
安倍晋三総理は18日の国会での民進党・岡田克也代表との党首討論で、消費税を来年4月に2%引き上げ、10%にすることについて「世界の冠たる社会保障制度を次の世代に引き渡していきたい。そのため、2%の引き上げについてはリーマンショック、あるいは大震災級のできごとが起こらない限り、実施していく考えだ」とし「そういう状況であるかないかは専門家のみなさんの議論もいただき、適切に判断していきたい」と語り、実施を再延長するのかどうか、明確にはしなかった。判断の先送りが続いている。
これに岡田代表は消費が弱い中で2%の引き上げは先送りせざるを得ない状況だと思うとし、そのためには4つの条件があると提起した。
岡田代表は「1つは、2020年度の基礎的財政収支黒字化の目標を変えないこと。そのため2019年4月には消費税を10%に上げないと間に合わない。2番目は、行財政改革をより具体的に進めること。公共事業の重点化、国会議員の歳費や公務員の人件費削減を含む改革も、同時に策定すること。でなければ信頼を得られない。3番目は社会保障の充実策。低年金者に対する年額6万円の給付、子ども子育ての支援などは先送りすべきでない。来年4月から実施すべき。そのため財源は2年間、赤字国債でやるしかない。4番目は軽減税率の導入を白紙に戻し、総合合算制度や税額控除とどれが一番望ましいかということをきちんと論議しなおすこと」とした。
安倍総理は「消費税を(3%)引き上げて以来、消費が弱いのは事実だ」と認めたうえで「岡田代表から具体的な提案を頂いたと思う。経済をしっかり成長させていかなければいけない。またその果実を生かしていく」と答えたが、「従来の考え方(リーマンショックや大震災級の影響がない限り、消費税は来年4月に10%にするとの考え)のなかで適切に判断していく」と、再延期する、しないの答えは先送りになった。(編集担当:森高龍二)