NYの視点:米3月JOLT過去2番目の高水準、FOMCの利上げ軌道を正当化

2016年5月11日 07:13


*07:13JST NYの視点:米3月JOLT過去2番目の高水準、FOMCの利上げ軌道を正当化

米国労働省が発表した3月JOLT(求人労働移動調査)求人件数は575.7万件と、市場予想545万件を上回り過去2番目の高水準を記録した。2月分も544.5万件から560.8万件へ大幅に上方修正された。同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が労働市場のたるみ具合をはかる上で注視している。この結果は、2016年の労働市場もFOMCの見通し通り雇用のペースは鈍化していない証拠となった。

求人率(Job openings rate)も3.9%と、2月3.8%から一段と上昇。危機前の水準3%を大幅に上回る水準を維持。採用率(Hires rate)は3.7%と2月、危機前の水準3.8%から小幅低下したが、昨年の平均3.6%は引き続き上回った。退職率(Quits rate)は2.1%と、2月と同様、危機前の水準を維持。退職率は、労働者の雇用市場に対する自信をあらわすとしてイエレン議長がJOLT指数の中でも特に注目している。労働市場のたるみが引き続き解消されており、雇用は引き続きFOMCの責務目標である最大雇用に一段と近づいていることが確認された。遅いながらも利上げ軌道にあるFOMCの政策を正当化する。


■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)

◎危機前に比べ状態が改善 ← 危機前の水準と比較
3月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(前回1.3%) ← 1.4%(下回る)
4月失業率(Unemploynent rate):5.0% ← 5.0%(変わらず)
3月求人率(Job openings rate):3.9%(2月3.8%) ← 3%(上回る)
3月退職率(Quits rate):2.1%(2月2.1%) ← 2.1%(変わらず)

◎状態が危機前より依然悪い
4月広義の失業率(U-6):9.7%(3月9.8%) ← 8.8%(上回る)
4月長期失業率:41.9%(3月42.4%) ← 19.1%(上回る)
4月労働参加率:62.8%(3月63.0%) ← 66.1%(下回る)
4月雇用者数(Nonfirm payrolls):16万人 ← 16.18万人(上回る) 
3月採用率(Hires rate):3.7%(2月3.8%) ← 3.8%(下回る)《NO》

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