【中国の視点】バンクーバー:中国人の「爆買い」で一部ゴーストタウン化、現地住民反発

2016年5月10日 08:03


*08:03JST 【中国の視点】バンクーバー:中国人の「爆買い」で一部ゴーストタウン化、現地住民反発
カナダ・バンクーバーの住宅価格の急騰を受け、同市が中国の上海市や深セン市のように住宅バブルの崩壊リスクに直面していると警告されている。

統計によると、バンクーバーの一戸建て住宅の価格は直近1年で30.1%上昇し、平均価格は140万米ドル(約1億5000万円)となり、現地平均の世帯年収7万3390米ドルの約19倍になるという。

住宅価格の急騰について、中国人富裕層が投資目的で住宅を大量に購入していることが背景にあると指摘されている。現地の銀行が発表したデータによると、中国人バイヤーは2015年に買った住宅は計96億米ドルに上り、同市全体の成約額の33%に相当するという。

また、こうした投機的な取引がバンクーバーの経済の健全発展や治安問題まで悪影響を与えると批判され、現地住民から不満の声が高まっている。住宅の上昇を狙い、多くの中国人オーナーは住宅を長期放置し、一部高級住宅地でゴーストタウン化が進んでいると警告されている。

さらに、バンクーバーのほかに、トロントも中国人による不動産の爆買いで価格が大幅に上昇していると報告されている。

バンクーバーの現地不動産仲介業者は、同市が住みやすい都市からお金を保管する金庫に化けているとの懸念を示している。なお、こうした状況を受け、カナダ当局は海外のバイヤーに対する調査を開始していると報告されている。《ZN》

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