阪急電鉄、神戸阪急ビル東館の建替計画を発表 新しいランドマークとなる高層タワー建設へ

2016年5月2日 08:41

 阪急電鉄<9042>は、阪神大震災後、1995年12月に駅機能の復旧に合わせて、暫定的な建物として、神戸阪急ビル東館を開業した。その後、本格的な建替計画の検討及び関係機関との協議を進めてきたが、2021年の竣工を目指して建替えることに決定した。

 1936年3月に、神戸本線の延伸にあわせて、神戸駅(現在の阪急神戸三宮駅)と一体で建設した神戸阪急ビル東館は、95年1月の阪神・淡路大震災により被災・解体するまで、60年近くにわたって、神戸・三宮のシンボルとして親しまれてきた。それが、約20年の「暫定的建物」の時代を挟んで、いよいよ21世紀にふさわしいランドマークとして復活するわけだ。

 計画地は神戸の中心地である三宮地区にあり、阪急神戸三宮駅をはじめ、阪神神戸三宮駅、神戸市営地下鉄三宮駅、JR三ノ宮駅、ポートライナー三宮駅が近接する鉄道交通網の結節点に位置している。

 このプロジェクトでは、駅の整備を一体的に行い、神戸市営地下鉄との乗り換え利便性の向上や公共的空間の創出を図るとともに、永らく市民に親しまれてきた旧神戸阪急ビル東館のデザインをビルの低層部で再生するという。

 また、ビル内には、商業施設、オフィスのほか、阪急阪神ホテルズが展開する宿泊主体型ホテル「remm(レム)」が入居予定で、神戸を訪れるビジネス客や旅行者のホテル需要に応える予定だ。さらに、最上階となる29階には展望フロアを整備し、港街神戸の魅力ある景観を楽しめる空間を提供するとともに、4階から15階を占めるオフィスフロアの最上階には神戸市が検討している産学交流拠点も誘致していく考えもあるようである。

 昨年、神戸市は政令都市の人口ベスト5から脱落してしまったが、こうしたプロジェクトを見ていると、歴史に裏打ちされた街の底力を感じるのは、筆者だけではないだろう。(編集担当:久保田雄城)

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