野菜ジュースは野菜不足の解消になるか? 生活習慣病にも良い影響
2016年4月29日 20:58
日本人の野菜不足は年々深刻度合いを増している。2015年に厚生労働省が行った調査によると、一日の野菜の目標摂取量350gに対し、全ての年代で目標に達していないことがわかっている。とくに単身者は外食が多くなるなど、野菜不足を解消するのは難しいと思われる。
そんな野菜不足を手軽に解消するものして、野菜ジュースがある。健康志向の高まりとともに、野菜不足を自覚している単身サラリーマンやOLを中心に野菜飲料は着実に需要を伸ばしてきた。ここ数年は、コンビニで本格的な味が楽しめる「カウンターコーヒー」や、安価で手軽な「カット野菜」などの登場によって、売り上げの伸びが停滞しているものの、人気があることには変わりがない。
しかし、野菜ジュースを飲むことは本当に野菜不足解消や健康促進につながるのだろうか。昨年1月、「野菜一日これ一本」や「カゴメトマトジュース」などで知られる飲料大手カゴメ株式会社が、城西大学(金本郁男教授)との共同研究で、大変興味深い報告をしている。同社が第18回日本病態栄養学会で発表した研究結果によると、野菜ジュースを食前に飲むことで、メタボの原因の一つである食後の血糖値の上昇が抑えられることをヒト試験で確認したというのだ。また、食事中に野菜ジュースを飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することも確認されたという。
日本では今、糖尿病患者は予備軍まで合わせると約2200万人に上ると推計されており、この20年間だけで3倍以上に増えている。この数は高齢社会の進展とともに、今後益々増え続けていくことが予測される。野菜ジュースの飲用によって血糖値が抑えられるのであれば、国民の健康に大きく貢献するとともに、野菜ジュースに対する注目度も高まるだろう。
野菜飲料は、野菜が苦手な人でも飲みやすいことがポイントとなるが、それに加えて、わかりやすいネーミングや、一度で野菜を何種類も摂取できる点などが売り上げを左右するとみられる。先に挙げたカゴメの「野菜一日これ一本」や伊藤園 の「1日分の野菜」などのヒットがその良い例だ。また、株式会社 山田養蜂場が4月に新発売する「飲む10種の国産野菜」も分かりやすく興味をそそる、野菜ジュースらしいネーミングだ。同製品は、1日の野菜の目標摂取量の半分にあたる175gの野菜をギュッと凝縮した野菜飲料で、ネーミング通り、原材料は国産野菜に限定し、さらに製品の全ロットで300項目にわたる農薬検査を実施するなど、食の安全に配慮したものとなっている。
野菜不足になると、糖尿病や高血圧など生活習慣病の原因になるともいわれている。自覚のある人はとくに、野菜ジュースを意識的に飲んで野菜不足を解消するように心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)